【書評のようなもの】『霊感商法の勝共連合=統一協会』(とんでもねぇ話だなぁこれぇ!?)

 2022年7月28日、自民党の「性的マイノリティに関する特命委員会」の会合で八木秀次氏が講演をした。あべぴょん暗殺事件後であったため、記者から統一協会との関係を聞かれてしまった八木秀次氏は「関係ないですよ!」と答えていた。私はやってない、潔白だ~。関係ないですよ!
 日隈威徳氏は統一協会について「反共謀略機関であるという点を強調したい」(p.5)としている。勝共連合は「名前が勝共とありますように、これは単に理念的な反共をいうだけではなくて、実際活動でも共産党に敵対する行動をとることがその任務です。したがって選挙のさいには共産党の選挙活動を妨害する、あるいは日常不断に共産党をひぼう、中傷するビラをまいたり、そういう講座をひらいたりする活動をやっている団体です」(pp.5-6)。
 統一協会が「いまさら、われわれは霊感商法をやっていない、なんていうのはとんでもない話です」(p.8)…。とんでもねぇ話だなぁこれぇ!?こんなの!許されるわけねぇに!決まってんだろ!
 さて、日隈威徳氏は次のように指摘している。
 「この集団の、いまの日本の支配権力とのさまざまなつながり、癒着というものを解明しなければいけない」…「かれらは天皇崇拝をいいだして、右翼勢力をもとりこもうとしているわけです。国際勝共連合は、その『目的』に『私たちの国の歴史と伝統を継承し』うんぬんというふうな文言を入れて、日本の歴史と伝統を重んずるというようないい方をし、そして天皇在位60年の『奉祝』運動の先頭に立つ。ちょうどこういう転換点になったのは、10年前の天皇在位50年の行事のときからなんです。そのころからかれらは、はっきり日本の右翼勢力とも連合をくんだわけです」(p.14)。
 「文鮮明に拝礼する儀式のなかで、日本の代表として天皇文鮮明に拝礼することになっている。天皇の身がわりになっているのは久保木修己」…「かれらは、天皇というものを、けっして日本の右翼や天皇主義者が、あるいは皇国史観の信奉者が崇拝するような形ではしていない」…「それをかくして天皇崇拝をもってきている」(p.15)。
 勝共連合は「地域の保守人士、町内会長など有力者、自民党民社党議員、後援会長、こういった部分を糾合して、支部や班といった組織づくりをやっている。謀略的に勝共連合の末端組織づくりをやっている。つまり、統一協会に入らなくても、自民党員のままで、あるいは地域の右翼のボス、あるいは警察のOB、こういった連中をもちあげて、地域支部をつくる。これがかれらの癒着の大きな基盤になっているわけです」(pp.15-16)。
 「いまかれらは、ゴッディズム(神主義)であるとか、ヘッドウィング(頭翼)思想などという目新しいことばをさかんにふりまいていますけれども、要するになにか意味ありげで、実はでたらめな『思想』を押し出して、反共学者の糾合と、それからもっと広い層の学者に勝共思想を宣伝しようとする運動なんです」(p.24)。
 統一協会が「反民主主義の集団であるということ。これを徹底して暴露しなければならないと思います。『勝共』などといいますから、これは、共産党とその共産党に反対する集団との争いだ、というようにうけとられる面があるんですが、けっしてそうではない。韓国では勝共ということでどういうことがやられてきたか。あの全斗煥軍事独裁政権による光州の大虐殺があった。民主主義が破壊され、ファッショ政治がつづいてきた」(p.37)。

 

引用文献
日本共産党(1987)『霊感商法勝共連合=統一協会日本共産党中央委員会出版局