【書評のようなもの】鈴木エイト『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』

 「2013年の参院選で顕在化した安倍政権と統一教会の癒着構造。その関係は翌14年の衆院選を経て15年夏、一つの結実を迎える。統一教会が1997年以降18年間、働きかけてきた教団名の変更を所轄官庁である文化庁が認証したのだ。この不可解な認証の背後には、やはり安倍首相側近閣僚との密接なパイプが見え隠れする」(p.29)。
 「文化庁は悪名が高かった『統一教会』からの名称変更を、頑として認めてこなかった」(p.30)。「文部科学省下村博文大臣が、文化庁統一教会の名称変更を強引に認めさせたと永田町で噂になっているという」(p.31)。
 2021年、鈴木エイト氏は前川喜平元文科次官にこの件を尋ねる機会があった。「下村の関与の有無について問うたところ『あり得る』と答えた前川。その理由を『統一教会は第2次安倍政権と近しい』と指摘した」(p.33)。
 鈴木エイト氏は「内部情報によると教団内では下村と繋がった木下義昭・世界日報社長ルートと、萩生田光一と繋がった太田洪量・国際勝共連合会長ルートとのせめぎ合いがあったという。結果としては下村―木下ルートが奏功したことになるが、いずれにしろ、統一教会が政治家への働きかけによって名称変更に漕ぎ着けた可能性は極めて高い」(同上)と指摘している。
 えー、非常にしつこい鈴木エイト氏は、ユナイトメンバーに配信されたメールの中において「『エイトが出没』とは、まるで熊のような扱い」(p.60)をされていたのであります。
 「ユナイトの活動自体が、教祖・文鮮明の『みことば/神のみ旨』の実践と位置づけられている」…「言い換えるとユナイトの一連の活動は、2世信者教育プログラムや信仰生活プログラムという宗教活動の一環、つまり教団の世界宣教・統一運動の一つとして行われていた」(同上)…。
 熊本ピュアフォーラムについて「『出目金』氏ツイッター」(p.144)。とんでもねぇ金魚だなぁこれぇ!?
 統一教会日本会議の「人的交流として近年、最もその動きが目立つのが『親学』の提唱者である高橋史朗だ。日本会議のキーマンとしても名が挙がる高橋は2018年3月、山梨県統一教会系政治組織『アジアと日本の平和と安全を守る山梨県フォーラム』などが共催した講演会のメインスピーカーとして登壇、19年3月には、『Viewpoint』に『家庭教育支援法の制定急げ』と題した記事を寄稿している」(pp.145-146)。杉田水脈は「2016年にニューヨークの統一教会施設において日本会議高橋史朗らとともに講演していた」(p.149)…。
 一方、マザームーンは「広島へ原爆が投下されたことを引き合いにして日本に悔い改めるよう諭すとともに、日本の教団幹部に対し国家復帰のために日本の『最高指導者』『最高責任者』つまり安倍晋三首相をひっくり返して打ち負かし、屈服させて教育をしなければならないと指示」(p.152)。できない理由を考えるのではなく!

 

引用文献
鈴木エイト(2022)『自民党統一教会汚染 追跡3000日』小学館