【トンデモ】高橋偽史朗『検証・戦後教育』

f:id:aki_mmr:20180318174217j:plain

 「麻原教祖をはじめオウム信者のほとんどは40代以下の戦後世代であり、オウムの日本人同胞に対する無差別テロは、戦後世代が戦後民主主義(教育)の脆さを逆手にとって利用した事件であったといえる」(p.297)。えっ。「『人権・自由・平和・民主主義』を振りかざすオウムは、宗教法人と『信教の自由』を隠れ蓑にした」「戦後民主主義、戦後教育そのものを見直さない限り、阪神大震災オウム真理教事件に続く、第三の“国難”に直面することは必至である」…「マスコミは挙ってオウム真理教の『マインド・コントロール』の恐ろしさを告発したが、マスコミ自身が戦後50年間、占領軍の戦争贖罪情報宣伝計画(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)による『マインド・コントロール』下に置かれ続けてきた事実には全く気づいていない」(p.298)。あっ…(察し)。

 

引用文献
高橋史朗(1995)『検証・戦後教育 日本人も知らなかった戦後50年の原点』広池学園出版部

【トンデモ】勝共しぐさ

f:id:aki_mmr:20180316222141j:plain

 「勝共連合はこれまでにも、《治安維持法は正しかった》《大東亜戦争の継承を》(『思想新聞』77年1月10日付)といった常軌を逸した主張をおこなってきた」(茶本 p.32)。あっ…(察し)。
 福田信之氏が「1984文鮮明師にお会いしたとき、なぜICUS(科学の統一に関する国際会議)などの学者の集まりに大きな資金とエネルギーを注ぐのかと質問してみた。文師は、神の目的であり、文師の目的でもある理想世界の実現は、宗教家の力だけで達成することはできない、宗派的な偏見にとらわれない学者の協力が必要なのだと答えられた」(福田 p.4)そうである。
 黒坂富治氏は、世界平和教授アカデミーの事務局の男性が研究室にきて「松下正寿先生の講演が金沢でありますので、黒坂先生も参加していただけないでしょうか」(同上 p.27)と言われて参加したら、「命あるかぎりこの勝共運動に挺身していくと心に決めている」(同上 p.31)状態になってしまった。
 武藤正行氏は「1979年に『日本を守る会』九州大会の実行委員会が福岡で行われ」…「私は福岡県の神道青年部をくまなく講演して回っていたので、顧問のような立場で出席した」(同上 p.62)という。「そこには勝共連合の森君の姿もあった」…「ある団体の代表が彼を指差しながら、大声で『おい、勝共が来てるぞ!』と叫んだ」(同上)ので、激怒した武藤正行氏は「お前たちが日の丸運動を独占しようとでも言うのか!」…「歴史を見ても、国が危ないときは宗教宗派を超えて集まったではないか! 勝共のどこが悪いと言うのか!」(同上 pp.62-63)と危ないデムパを飛ばしたという。そっ閉じ。

 

引用文献
茶本繁正他(1987)『総批判 国家秘密法は何を狙うか』高文研
福田信之編(1991)『21世紀の希望と統一運動 大学教授がみた世界救済への道』光言社

【トンデモ】手かざししぐさ②

f:id:aki_mmr:20180311190425j:plain

 日本会議事務総長・椛島有三氏によると「お代理様の御言葉の中に示された『天壌無窮の男系の流れ』が絶たれるか否かの時であり」…「日本会議と致しまして皇室典範問題の重要性を鑑み、その解決に向けて全力を尽くす所存でございます。また、教育基本法改正につきましては、国会での継続審議が決まりました。お代理様は愛国心について『心』のない愛国心愛国心でない主旨のことをお述べになられました」(椛島 p.57)とのこと。トカゲのしっぽ切りしぐさは「心のある愛国心」なのだろう。こころがぴょんぴょんするんじゃぁ~。
 2014年10月11日に統一協会の「祝福原理大復興会」に出席しぐさの萩生田光一氏は、「困った時には道場に駆け付け、手かざし」(萩生田 p.60)しぐさ。「私達神組み手には、崇教真光を世界に拡げ、宗教の枠を超えた『崇教』として、地球村を心一つに繋いでいく大きな使命がございます」(同上 p.61)。そっ閉じ。

 

引用文献
椛島有三(2006)「天皇皇后両陛下 岐阜県飛騨地域御幸の意味を拝し」『崇教真光』2006年8月号 L・H陽光出版
萩生田光一(2004)「宗教の枠を越えた『崇教』を政治に」『崇教真光』2004年12月号 L・H陽光出版

【トンデモ】2分の1史朗(これ半分史朗だろ)

f:id:aki_mmr:20180304150047j:plain

 「実は!テレビはゲームや携帯を凌ぐ一番強力な脳毒なんです!!!」(p.6)。な、なんだってー! GHQは「日本を占領中に二度と米国に刃向かえないよう弱体化」…「3S政策」(p.8)…「3S政策は別名 日本人獣化・日本人白痴化政策」(p.13)…「かつて日本人は高い精神性と『江戸しぐさ』に代表される高いマナー意識を持っていた」(p.15)…。そっ閉じ。

 

引用文献
真弓定夫監(2009)『麻薬より怖い!? 脳毒 3 テレビが脳を汚染する』美健ガイド社

【書評のようなもの】倉橋耕平『歴史修正主義とサブカルチャー』

 倉橋耕平氏は、『歴史修正主義サブカルチャー』で1990年代の保守言説(デムパ)を「アマチュアリズム」と「参加型文化」という視点から論じている。以下、引用しぐさ。
 「歴史修正主義の主張は学問のフィールドでは共感も評価も得ていない」…「歴史修正主義と親和性が高いのは」「ビジネス系の自己啓発書、保守論壇誌、週刊誌、マンガなどの商業出版とインターネットである。それらは、言説内容の正しさよりも『売れる』かどうかを優先する『文化消費者による評価』を至上命題としているメディアである」(p.13)。かつて「有害コミック」を「いやしき商業主義」であると批判していた300人委員会・高橋偽史朗こそが「いやしき商業主義」であり、史朗を覗くとき、史朗を覗いているのだ。
 「高橋らはWGIPの『洗脳』の成果を過剰に評価している」(p.51)が、それは「高橋らの集団」がポストオウムのへんないきものだからである。実際、オウム真理教は「GHQの洗脳」(3S政策)という妄想を取り入れていた。ディベートって…“ああ言えば上祐”。
 事実を歪める「高橋らの集団」に対し、「考えられる一つの方法は、歴史修正主義者を『ちゃかす』ことである。しかし、これが可能なのはごく一部の人に限られる」(p.228)。「いまなすべきことは、彼らの『知』のあり方を熟知すること」(p.230)であり、イオンド大学・名越二荒之助の強烈なデムパを知る必要があると“伝えられよ”。

 

引用文献
倉橋耕平(2018)『歴史修正主義サブカルチャー青弓社

【トンデモ】ムーニズム(カタツムリズム)

f:id:aki_mmr:20180227230830j:plain

 1982年12月29日、「1通の『要望書』が、就任早々の中曽根首相に提出された」(茶本 p.9)。その「『要望書』を提出したのは、『日本を守る会』である」(同上 p.10)。「『日本を守る会』に結集しているのは宗教界右派を中心としたタカ派イデオローグたち」(同上 p.11)。彼らの要望は「行革断行、防衛力増強、教育勅語を奉じて愛国心を高揚させ、建国記念日には政府主催の奉祝行事をおこない、教育基本法を改定して文教政策を刷新するとともに、憲法も改定せよ」(同上 p.13)というものである。また、「日本を守る国民会議」(1997年に「日本を守る会」と統合して日本会議となる)は、「人脈的には元号法制化に成功した『元号法制化実現国民会議』や、国際勝共連合が実働部隊となっている『スパイ防止法制定促進国民会議』」(同上 p.38)などと重なる。
 生長の家仏所護念会統一協会は、「宗教界“右派ご三家”といわれる」(同上 p.205)。「日本の右派宗教団体は、いまやかつての“票田”としての受動的立場から大きくふみだして、右傾化推進の主要な実働部隊へと変化している」(同上 p.207)。欧米では、統一協会のことを「“ムーニズム”といい、信者たちのことを“ムーニー”とよんでいる」(同上)。「米紙が報じたレーガン大統領のスナップ写真には、『ニューズ・ワールド』紙をひろげて喜びにふける大統領の姿があった」「『ニューズ・ワールド』紙は、アメリカの統一協会が傘下にしている“統一協会系”の新聞」(同上 p.209)…。日本でいえば、世界日報(産経新聞)のようなものである。
 ムーニー清水馨八郎氏は「第三次世界大戦は情報戦としてすでに始まっている。スパイ防止法もない日本は、情報戦ですでに相当深刻な敗北を受けているのだ。それは日本の社会が左翼偏向マスコミによって巧みに悪い方へ意識を誘導させていることで明らかだ」(清水 p.53)と八木秀次氏のようなデムパを飛ばしていたが、ムーニズム(カタツムリズム)は、陰謀論が鮮明である。ムーニーのシンポジウムに呼ばれた宇野正美氏は「日米摩擦がうるさく言われていますが、これも実はアメリカの中のユダヤ系の人たち」…「東京裁判をやり、憲法を押し付けたのは、ユダヤ民族」(清原 p.164)…。そっ閉じ。

 

引用文献
茶本繁正(1983)『ドキュメント軍拡改憲潮流』五月社
清水馨八郎(1987)「私の郷土大学」勝共運動を応援する会編『私のみた勝共運動』国際勝共連合
清原淳平編(2015)『岸信介元総理の志 憲法改正』善本社

【トンデモ】阿部正寿『ペンタビレス 美しくて強い国に』(エマヌエル阿部有國)

f:id:aki_mmr:20180214231818j:plain

 「『文明の衝突』では、世界に八つの文明があるが、日本は、日本だけに通用する孤立した文明を持っている」(p.13)。「世界に八つの文明」とは、世界日報八木秀次の文が鮮明であり、『文鮮明の衝突』が起きているということである。「今日の日本を見ると、社会のあらゆる面で崩壊現象が起こっている」…「何かが狂っていることは間違いない。家庭の崩壊、社会の崩壊、教育の崩壊、倫理の崩壊――あらゆる面での崩壊現象が進んでいる」(p.21)。家庭を連合させて統一するんですね、わかります。「私の周りにも年齢40歳を過ぎても結婚しない、あるいはできない人が非常に多い」…「簡単に言えば、自己中心性が強く」(pp.22-23)…。どう見ても合同結婚式です。本当にありがとうございました。
 「今、日本は、次の千年紀に向かって全く新しい国家目標と国家戦略を定めるべき時にきている。今の時を逃すと千歳に悔いを残すことになるだろう。安倍晋三内閣はそのためにこそ生まれてきたのだとも言える」…「これは、天の配剤であると思う。安倍首相はその系譜、個人的資質、志の持ち方からいってもその器を備えていると信ずる」(pp.29-30)…。安倍首相がんばれ!安倍首相がんばれ!統一協会の名称変更よかったです!…壺三しぐさ。
 「日本を考え、日本の国家のことを考えることが、あたかも悪いことであり、後ろめたいことであるかのような空気が支配している」…「現在の日本は、この何とも言えない得体の知れないものに影響され支配されている。この得体の知れない化物を粉砕して、堂々と日本を愛し、立派な国にすることが善であるという思想をこそ確立しなければならない」…「戦後さまざまな国や組織の悪意によって歪められた日本」(pp.36-37)…。これが原理主義(ファンダメンタリズム)の実例です。原理主義は、「原点主義」「原典主義」「減点主義」という3つの特徴で捉えることができ、「減点主義」は、現状の否定的側面を強調し、それとの戦いを前面に掲げるようなやり方…。あっ…(察し)。

 

引用文献
阿部正寿(2007)『ペンタビレス 美しくて強い国に』ありがとう出版