【トンデモ】保守派の危ない教育論

f:id:aki_mmr:20170301000910j:plain

 私はやってない~潔白だ♪ 「反憲学連(反憲法学生委員会全国連合)」「の活動家たちはいちように『生長の家とは無関係』という。しかし、反憲学連が生学連(生長の家学生会全国総連合)とメンバー的にもダブっており、上部団体に日本青年協議会を有していることからも関係の深いことは疑いない」(林 p.205)。「反憲学連のA君は、『教師』になろうとしていた。『私は、教える立場に立って子どもたちに“日本人の理想”というものについて教えたいと思っています』といった」(同上 p.206)。A君は高橋史朗氏のフレンズなんだね
 統一協会の「世界平和教授アカデミーと称する反共学者組織が、近年の教科書攻撃の仕掛け人であったことは、あまりにも有名である」(同上 p.209)。統一協会(勝共連合)は「反憲学連と手をくんで、反共宣伝活動を展開したりしている」(同上 p.210)が「生長の家系の反憲学連と勝共連合=原理研が“協力”して」(同上 p.212)いるのは、「彼らには自らの“教義”を棚上げにしてまで、立ちむかわねばならぬ相手が存在するからであり、そのためには神も仏もあったものではないのだろう」(同上)…。神も仏もないが、髭はあるのが高橋史朗氏。
 「従来、改憲を主張し、『日教組解体』を叫ぶ勢力は、もっぱら学校の外から戦後教育に対する攻撃をしてきていた。ところが、今日、改憲を公然と口にし、日本国憲法教育基本法を否定する勢力が学校のなかに登場し、教壇に立って」(同上 p.226)いる…。2006年、教育基本法は「改正」され、それが「親学」推進の根拠になっている。「体罰の会」にも髭…じゃない顔を出している高橋史朗氏は「歴史認識問題の背景という意味では、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムの体系的研究も重要なテーマになる」(高橋・西岡 p.9)とデムパを飛ばしているが、このデムパの下のほうに「オカヤマ/脳幹トレーニング研究所」とかいうアレな広告が載ってる…。
 そして体罰マニアのヨット右翼戸塚宏氏は次のようなデムパを飛ばしている。「東洋的な考えでは性善説。すなわち本能が善であって、悪は理性の中にしか存在しない」(戸塚・野口 p.221)…「戦後教育が」「愛国心を否定し、国のために散った特攻隊を犬死に扱いにした。その結果、自分のことしか考えない生命力のない子どもたちが大量に増えてしまった」(同上 p.223)…「引きこもりもニートも、戦後教育の被害者だと言えます。誤った理性至上主義の西洋的精神論を教育から排除し、本能を重んじる和魂の教育に、一刻も早く立ち戻るべきでしょう」(同上 p.225)…「3歳を過ぎたら、体罰を与え始める」「3歳から5歳ごろまでに体罰をきちんとあたえておけば、その後、必要はなくなる」(戸塚 2007 p.222)…「非行も登校拒否も家庭内暴力もサカキバラも宅間もアキハバラニートも全て性善説で解決します」(戸塚 2009 p.153)…「性善説は科学です。性悪説は哲学です。実証され正しいのが科学、正しさを証明されてないのが哲学」「『本能は善』が性善説」「本音は善、きれい事は悪」「目的が善であるから、体罰は善です」(同上 p.161)…「首をひねるような凶悪な罪を犯すものは、共通して『罪の意識』が希薄です。罪の意識は罰を受けなければ出来上がりません。体罰が最も有効です」(同上 p.163)…「体罰を行う人間を子どもは尊敬します」(同上 p.164)…「発達障害の子どもって、ものすごく増えてるじゃない。あんなのインチキや」「昔から、自分の子どもを精神疾患だと言われ、納得できない親がうちに連れてくることがよくあった。やってみると、10人中8人は治る。昔はそういう子どもを発達障害なんて言わんやって」(戸塚・中村 p.49)…。
 さらにアラン・ソーカル…じゃない戸塚宏氏のデムパは『精神医学』2015年2月号に載ってしまう。そこでは、まず朝田隆氏が戸塚「先生は、戦後の日本の教育制度が駄目になったのは日教組のせいだと常々おっしゃっていますが」(戸塚・朝田 p.147)などと言い出し、戸塚宏氏は「日教組というよりも、マッカーサーのせい」(同上)云々と答え、「今、発達障害といわれる若者がものすごく多いですね。あれは、精神の病気だとされていますが」「発達障害と言われている人たちは、トレーニングで治るのです」(同上 p.151)と有害デムパを放っている。朝田隆氏は、そうしたデムパを「認知行動療法との共通点を感じるところもございます」(同上 p.152)などとしている。なにそれこわい。
 なお、「オウム真理教によるパソコン通信の利用は、1991年に始まった」…「1994年の調査の段階では、『オウム真理教ネット』の会員数は約300人で、うち約半数がオウム真理教信者」…「会員としてのID番号を持たないゲストの利用者もあるために、実際の利用者はこの会員数よりもかなり多いと思われる」(深水 pp.185-186)という。「パソコン通信というメディアの特性は、従来と違う種類の宗教集団の出現を予見させるものがある」「これまである特定の宗教への入信は、社会・家族関係すべてを賭けての行為であった。しかし、パソコン通信の匿名性という特徴は、宗教への入信を非常に気軽なものに」(同上 p.190)する。すごーい!気軽に高橋史朗氏のフレンズになれるんだね!

 以下、籠池泰典氏の「園長の部屋」より適当に引用しぐさ。

 

・平成22年3学期 日本よ、めざめよ!子たちの将来のために
 「昨年の、講演会の際」「中西輝政教授が『我国が保たれるかどうかはこの3年が重要な時期』とおっしゃっていました」…「山田宏先生の講演会を拝聴し、私とすべての考え方が一致したのには驚きましたし、感動しました」…。

 

平成23年2学期 変革の時、来たる!!
 「民主党議員とは、政治家という前に、人間としての当たり前の常識さえ欠落しているのか。否、日本人としての常識を持っていない、エセ(ニセ)日本人なのだということが、皆が知ることとなった」…「TPP条約締結などもってのほかであり、国民の信託にこたえていない」…。「おとなしく、秩序高く、和を尊び秩序を重んじる日本人」…「日本人に他の国があわせるのが、ダーウィンの進化説にあっているのではなかろうか?」…。「皇室を中心とした日本に誇りを持つ教育をし、DNAの中に育まれた素晴らしき才能を堂々と表出せしめることが重要であります」…。

 

・平成25年1月11日 園長の部屋 1月
 「今年の正月元旦は心穏やかに平穏な気持ちで、しかも希望を持って迎える事ができました。安倍晋三自民党政権が再登場したからに他なりません」…「『個』の利益ではなく『公』の利益の為、『国家』『国民』の為に奮闘してもらいたい」…「日本が戦後レジュームから脱却いたすよう、心から念じています」…。安倍晋三氏キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

 

・平成25年3月1日 園長の部屋 3月
 「支那の国はマスコミを使い、インターネットを使い日本国国論の分断をはかってきた」…「すばらしき日本の2673年にわたる歴史と伝統に培われた日本人」…「“和を持って貫し”とする大らかな気持ちを持っている事は大切」…。和の精神を持つ民族、“和民”こそが真の日本人であり過労死は美徳。アヒャヒャヒャヒャ ヘ(゚∀゚ヘ)(ノ゚∀゚)ノ ヒャヒャヒャヒャ

 

・平成25年7月23日 園長の部屋 7月
 「安倍晋三政権と相連動し、教育的観点から繰り出してきた真の日本人教育を進めている塚本幼稚園」…。

 

平成26年1学期 天とのミッション
 すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を。「この一体感こそが一民族・一国家・一文明と言われる所以です。国民の同質性は日本人賞賛される特質であります」…「安倍晋三政権になって日本及び日本人が本来の姿に回帰し始めたのです」…。

 

平成26年3学期 緊張感は大切です
 「人を安易に殺傷する事件が多くありますが、これはまっとうな宗教的情操感、全うな道徳感、全うな家族感とか全うな歴史感とかを忘れ去っての結果だと思います。また、いい年をした人でも物事に対する罪悪感が摩耗している人が多いのにも唖然とします」…。唖然しぐさ。

 


引用文献
林雅行(1983)『国民学校の朝がくる』柘植書房
高橋史朗西岡力(2016)「巻頭対談 歴史認識問題研究会は何をめざすのか」『明日への選択』2016年12月号 日本政策研究センター
戸塚宏野口健(2008)「異色対談 本当の"生きる力"とは何か 本音で語る『体罰のすゝめ』」『正論』 2008年10月号 産経新聞
戸塚宏(2007)「恥はかかせろ、いじめはなくすな」『新潮45』2007年6月号 新潮社
戸塚宏(2009)「我が教育進化論 科学としての和魂」『日本主義』2009年1月 白陽社
戸塚宏・中村計(2016)「SAPIOインタビュー 戸塚宏(75)戸塚ヨットスクール校長 ニートまで『個性』と捉える教育への疑問 改めて言う。『体罰は教育だ』」『SAPIO』2016年8月号 小学館
戸塚宏・朝田隆(2015)「講演録 私の脳幹論」『精神医学』2015年2月号 医学書院
深水顕真(1996)「オウム真理教パソコン通信 電子メディアの発達と宗教教団の変容」池上良正・中牧弘允編『情報時代は宗教を変えるか 伝統宗教からオウム真理教まで』弘文堂

【トンデモ】「高い志と確固たる信念で幼児教育に心血を注ぐ 籠池靖憲 塚本幼稚園幼児教育学園園長」

f:id:aki_mmr:20170226154143j:plain

 ああっ、もうダメッ!ぁあ…デムパ出るっ、デムパ出ますうっ!!『産業新潮』2010年11月号に籠池靖憲(籠池泰典)氏のおぞましいデムパが載っているので引用しぐさ。「国歌斉唱に続く教育勅語朗誦はもう10年以上続く」(p.36)…。消える飛行機雲~朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ…。籠池靖憲氏は「今は意味が分からなくても、忘れてもいいんです。間違いなく21世紀を背負って立つ園児たちの脳髄にきちんと注入していれば、いつか思い出すものです」(同上)と述べている。デムパ注入しぐさ。デムパ輝く日本の 蝿ある光 身に受けて♪ 今こそ祝え染色体 紀元は二千六百年♪ アッー 一億の江戸しぐさ
 「教育勅語を園児の教育の柱に据えたのは、籠池園長の確固とした信念、正しい教育的見識によるものだが、もうひとつ『ガマンならぬ浮薄な世論への反骨』があるように思われる」「致知出版に掲載された対談記事によると、運動会でお年寄りを元気づけようと子供たちに『愛国行進曲』を歌わせたところ、この様子を毎日放送が報道して叩いたという。唯一援護射撃をしたのが京都大学中西輝政教授だったそうで、籠池園長は『よし、今こそ教育勅語を全面に出した教育方法論を構築しよう』と一念発起して園児の朗誦を始めたそうだ」(p.38)…。あっ…(察し)。

 

引用文献
「高い志と確固たる信念で幼児教育に心血を注ぐ 籠池靖憲 塚本幼稚園幼児教育学園園長」『産業新潮』2010年11月号 産業新潮社

【トンデモ】渡部昇一『日本人の品格』

f:id:aki_mmr:20170225005950j:plain

 渡部昇一氏(不幸の疑似科学)は次のようなデムパを飛ばしていた。「日本を、あるいは日本人を論じる際には、皇室と神社を絡めて論じなければ成り立たない」(p.21)…「神道こそ、そして神社こそ、日本の文明の中核であり本質」(p.27)…「Y染色体は男性」、「男系の天皇がこんにちまで続いた」(p.154)…「神武天皇の遺伝子が二千年以上に渡り、今もなお続いている」(p.159)…「愛子様が皇室の方と結婚しないと、Y染色体はそこで途絶えてしまいます」…「『皇統』という日本文明の根本の根本にかかわる問題なのです。こうしたことが分からなくなったこと自体が、日本人の品格が失われた結果だと思うのです」(p.160)…「第二次世界大戦では、アメリカに原爆を落とされて戦争が終結します。しかし、現在、世界で原子力発電の技術を持つ会社は世界に三つしかありませんが、日立、東芝、三菱と、これと提携している会社だけですが、三つとも日本の会社です。いつの間にか、エネルギー資源として原子力を活用する技術でも日本が世界中で突出してしまいました」「というように、驚かされたら、必ず驚かせる。そして、トップになる。こうした日本人の資質の基本に、神道があると私は考えます」(p.47)…。そうなんだ、すごいね!進め一億江戸しぐさY染色体万歳!靖国で会おう(o´・ω・`o)ノシ
 「日本の武士道の精神というものが、こんにちの二十一世紀の世界をつくったと私は考えています」(p.52)…「日本の武士がいなければ、世界中の有色人種は、良くて使用人、悪くて奴隷に近い存在のままだったはずです」(p.75)…「日本から武の伝統が失われたことが、日本の品格をおとしめるに至った最大の理由の一つ」(p.76)…「日本は男女の愛、夫婦の愛で国がつくられ、その精神が日本人の魂の根源に流れている」(p.83)…。「教育勅語は、本来、廃止する性質のものではないのです。教育勅語の廃止が何を意味するのか」「『父母ニ孝ニ、兄弟ニ友ニ、夫婦相和シ…』をすべて廃止する訳ですから、『親不幸をして、兄弟喧嘩して、夫婦は仲良くしてはいけない』となる。ようするに、日本人にとっての徳目を廃止したことになるのです」…「東京裁判に端を発する一連の流れが、日本人から品格を失わせた根源的な理由だと私は考えます」(p.143)…。「教育勅語なども、日本人の基本的な道徳観を簡潔に述べた文書として、国会の廃止決議の廃止決議をするべきでしょう。志ある私立学校の学校教育の場から復活させてもよいものの一つではないでしょうか」(p.203)…。あっ…(察し)。
 「日本の社会が動物園化している」(p.182)…「日本で、このまま社会の動物園化が進むと一体どうなってしまうのだろうかと心配になります」(pp.183-184)…「今、二十代、三十代くらいの人でニートやフリーターが増えているという現象も、社会が動物園化していることの結果だと思います。昔はニートだったら餓死しています」(p.185)。『動物農場』しぐさ。


引用文献
渡部昇一(2007)『日本人の品格』ベストセラーズ

【トンデモ】籠池町浪「日本の心伝える塚本幼稚園が小学校開設」『「美しい日本」ものがたり 別冊正論27号』

f:id:aki_mmr:20170223215629j:plain

 オカルティック・ウヨク・高橋史朗氏…ではなく「瑞穂の國記念小學院開校準備室長」の籠池町浪氏は「めざすは『礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる教育』です」(籠池 p.218)と述べている。愛国心とは超越神力のようなものだろう。「天照大御神さまがどのような思し召しで天孫を地上に遣わされたのか、神武天皇さまは建国の詔でどのような理念を謳われたのか、こうした日本国創建の伝承を学べば、自ずと日本人として誇りを持てると思います」(同上 p.219)…「教育とは結局は勅語の十二徳目に行き着きます」「十二徳目を忘れてしまえば、建国以来二千六百年以上続いてきた美徳を日本人は失うでしょう」(同上 p.220)…「気を付けなければいけないのは、すぐお隣の国の人たちは容姿が日本人に似ているため、その行動や思想の影響を日本社会に知らず知らずに及ぼしていること」…「テレビなどメディアに登場して、それを見た人はいつのまにか感化されてしまう」「決して人種差別ではありませんが、欧米のように外見で区別できない日本の場合、危うい本当に恐ろしいことです」(同上 p.221)とかデムパ飛ばしすぎ。なお、「保守」とか日本会議へんないきものたちとかを観察すれば「他者への思いやり」「を日本人は持っています」(同上 p.224)云々とは言えないことが分かる。
 「『保守』は頭の悪い危険思想の持主と思われ」(八木 p.55)ていたが、1980年頃から戦略を変え「普通」を装っている。79年の「元号法制化の原動力となったのは実に生長の家であった。しかも運動の方法は、かつての右翼のような暴力ではなく、また幹部だけが当事者と交渉するものでもなかった。自らの組織を動員して、傘下の地方議員を通じて、地方から中央に攻め上がる、かつて革新が地方自治体をおさめ中央を包囲するといったのと、全く同じ方法をとって攻勢にでたのである。そこに高度成長時代と違った右翼の新しい運動方法が見出されよう。生長の家は、右翼陣営におけるいわば新しい主役として登場してきた」(堀 p.229)。「主役の交替は当然、戦略の変化を伴う。元号法制化で彼らがとった大衆運動方式がそれである」…「右翼勢力の最大のターゲットである憲法改正について、彼らはこの大衆運動方式を採用する。彼らはそのために『日本を守る国民会議』をつくった」…「同会議の母体は元号法制化実現国民会議を改組したもので、したがって生長の家神社本庁勝共連合などがその実行部隊である」(同上 p.231)。髭しぐさの高橋史朗氏も混じっているが、彼らは「どこにでもいるサラリーマン風の『背広を着た右翼』である。その彼らが大衆の中に入り、大衆運動を組織して、今日の右傾化、反動化の尖兵となっている」…「大衆は『制服の右翼』を恐怖するが、一方で『背広を着た右翼』のイデオロギーを受入れてしまう。こうして元号法制化は、彼らの手で実現されてしまった」(同上 p.236)。
 「高橋氏は、『国家神道』は『わが国の伝統に根ざした宗教』であり、神道を『国家から分離することは、国民生活を混乱におとしいれる』と主張している」…「よほどの皇国史観の持ち主でなければ展開しない主張である」…「神道を国家から分離することが国民生活を混乱させる、という主張はなんとも奇妙なものである」(俵 p.19)…。「日本青年協議会(略称・青協)とその下部組織の日本教育研究所」(同上 p.61)とかでデムパを飛ばし「学者としては何ら実績もなかった高橋氏を、臨時教育審議会の専門委員に取り立てたのは、中曾根康弘元首相といわれている」…「高橋氏は、右翼組織『国民会議』の運営委員であり、統一教会勝共連合とも関わりの深い人物である」(同上 p.63)。高橋史朗氏や「つくる会」(分裂前)の「藤岡氏らは『反日』というレッテルを好んで多用しているが、かれらの使う『反日』は『非国民』と同義語である」(同上 p.69)。
 島薗進氏が「安倍政権の周辺の人たちが唱えるところの、『日本の伝統』『美しい日本』というものの実態を聞いてみると、ほとんど中身がない」(橋爪・島薗 p.58)と指摘しているように高橋史朗氏のデムパには中身がない。だから江戸しぐさとか取り入れちゃう。しかしながら現在、そのデムパは一定の影響力を持ってしまっている。西…じゃない東浩紀氏によると2000年代は「リベラルな人たちはリベラルではないということが大衆レベルで分かってしまった」「みんなが在日に対して優しくしようとリベラルは言う。でも世の中には、在日を差別する人がいっぱいいる。その現実はどうするのか」(東・大塚 p.207)…「ぼくは南京虐殺はあったと『思い』ますが」(同上 p.210)…「なぜ歴史の問題すら解釈次第という立場なのかと言われたら、それはぼくがポストモダニストだから」(同上 p.212)…。ポストモダンしぐさでデムパを甘やかしてきた結果がこれだよ…。

 

引用文献
籠池町浪(2016)「日本の心伝える塚本幼稚園が小学校開設 純粋な双葉を汚れた雨で枯れさせない」『語り継ぎたい真実 「美しい日本」ものがたり 別冊正論27号』産経新聞
八木秀次(2017)「保守とは何か~イントロダクション」『正論』2017年3月号 産経新聞
堀幸雄(1993)『増補 戦後の右翼勢力勁草書房
俵義文(1997)『教科書攻撃の深層 「慰安婦」問題と「自由主義史観」の詐術』学習の友社
橋爪大三郎島薗進(2016)『人類の衝突 思想、宗教、精神文化からみる人類社会の展望』サイゾー
東浩紀大塚英志(2008)『リアルのゆくえ おたく/オタクはどう生きるか』講談社

【トンデモ】高橋史朗の1984

f:id:aki_mmr:20170208231033j:plain

 「臨時教育審議会の20人の専門委員が中曽根首相によって任命されたのは1984年12月20日」(p.48)。「そのなかで弱冠34歳」「の教育学者が起用された」…「名前は高橋史朗」(同上)…。えっ。教育学者…。これを報じた毎日新聞に「髭をはやした顔写真が載っている」(p.49)。髭しぐさ。現在ではデムパで有名であるが、当時は「日本の教育学界では、ほとんど名前を知られていなかった。ところが、臨教審専門委員に抜擢されたのと前後して、次々と論文を発表する」…「発表媒体をみれば、高橋の思想傾向がおおよそ察しがつく」…「自民党機関紙『自由新報』や勝共連合系列紙『世界日報』に執筆するなどをみると、その体質はより鮮明になる」(同上)…。鮮明しぐさ。あっ…(察し)。
 「アメリカで占領期の資料を“発掘”し、教育基本法は占領の産物であり、不備で、教育勅語は失効していない。そこから教育勅語教育基本法を超越する教育憲章の必要性を主張するのが高橋の論法である。“デビュー”当時は、公正無私な研究者を装っていたが、最近では、自らの意図を露骨にあらわしている」(pp.49-50)。露骨しぐさ。「高橋は、教育基本法を歪曲してきたのは日教組だ、とヒステリックにいいたてる。“若気のいたり”であろうか。冷静な研究者がかくもヒステリックになるのはなぜだろうか」(p.50)。これが“脳内汚染”の実例です。
 「78年10月3日の元号法制化実現総決起国民大会では、壇上で大会決議文を読みあげたのは学生服姿の高橋史朗」(p.52)…。彼の日本教育研究所(トンデモ)は「小中高校での教育実践だけではない。幼児に対しても指導がなされる」(p.55)。「日本の国のお誕生日を祝うと同時に、天皇様に『ありがとうございます』ってお礼言おうね」(p.56)。ありがとうしぐさ。「80年に千葉県松戸市で朝礼の時、小学生に『校長先生は敵が攻めて来たら戦うぞ!』と愛国演説し」(p.57)た小林春光氏…。特技はイオナズンです。はい。敵が襲って来ても守れます。これが“脳内汚染”の実例です。
 「日本教育研究所の設立を1974年11月に正式に決めたのは、日本青年協議会第二回大会であった。以来、日本教育研究所は、日本青年協議会」「を連絡先にしている。電話の応待にも、『日本青年協議会です』というのである」(pp.57-58)。「この日本青年協議会とは」「反憲法学生委員会全国連合(反憲学連)や生長の家学生会全国総連合(生学連)の上部団体なのである。すなわち、日本教育研究所は、生長の家の系列組織の一つなのである」(p.58)。1983年8月に「高橋史朗をまじえて日本教育研究所の教研合宿が開かれ、ここで高橋は、『教育荒廃と日本占領――道徳の復権をめざして』と題して報告、教育荒廃と占領について、①制度としての父権秩序の破壊、②日本の伝統文化の否定、③厭戦思想の普及、④東京裁判による日本歴史の断罪、⑤子どもの自主性尊重、⑥教育勅語の否定を『教育荒廃の原因』にあげたのだった」(p.61)…。「日本を守る国民会議の高校教科書『新編日本史』について」「『東京裁判史観』にもとづく検定を批判し」「『復古調』と報道したマスコミを『偏向』といい、韓国や中国からの批判を『外圧』という」…「生長の家を母胎として生まれた日本教育研究所のリーダー、高橋史朗は、したり顔で臨教審において教育基本法改悪のメスをふるっている」(同上)…。
 水に「高橋史朗」という言葉をかけると水素水に(ry

 

引用文献
林雅行(1987)『天皇を愛する子どもたち 日の丸教育の現場で』青木書店

【トンデモ】保守しぐさ

f:id:aki_mmr:20170205141802p:plain

 中川八洋氏は「保守と保守主義は違うのです。保守主義イデオロギーですから、王制を守るとか、『人権』を排撃するとか、激越に闘争します。戦うのです。しかし日本のいわゆる『保守』は、単に『非左翼』であって、この戦う姿勢が全く欠如しています」(谷沢・中川 p.256)と述べ「現在の日本の社会を最も溶解せしめている、解体せしめている元凶の一つは『人権』」(同上 p.258)であるという。また、「1960年代からの『公民権』運動や70年代の『ウーマン・リブ』運動や『アファーマティブ・アクション(優遇措置)』などによって、公正を無視した『平等』化が米国社会の退廃の主たる原因となっており、懸念されざるをえない」「90年代にはこれに『PC(Politically Correct)』運動が加わりその狂信的な“言葉狩り”も、米国社会を腐蝕している」(中川 1996 p.172)らしい。「『ポスト冷戦』の日本では」「夫婦別姓や『子供の権利』など、家族の消滅運動という、実体的としては暴力革命に相当する伝統破壊つまり秩序破壊が国民に感知されない形で静かにかつ着実に進捗している」…「『政治改革』という四文字に思考停止して未曾有の政治的革新を左翼マスコミ煽動のままに無意識に進める日本という国家は、いずれその政治的機能が内部から自壊的に麻痺して半身不随になる日は遠くないと断言しておいてよいだろう」(同上 p.330)…。「人間は(小)ロボットではないし」「TVのアニメでしかありえないこのような妄想において観想されたのがホッブズの『主権』論である。TVアニメの主題歌を集めたようなもの、それが『レヴァイアサン』である。そんなものが正常な政治哲学の一つであるとすれば狂気であろう」(同上 p.246)…。これはむせる。
 「保守主義とはバークの哲学のことだといってもよい。そして、バーク保守主義という深遠な叡智を指針にせずしていかなる文明国家も未来へと悠久に永続する生命の泉を涸らさないでいることはできない。この故に、バーク哲学こそ日本国の必携である」(中川 2004 p.123)…「日本は、国をあげて、バーク哲学を拳拳服膺すべく、『バーク・ルネサンス』を断行しなければならない。それのみが日本に残された日本の悠久なる永続のための“最後の選択肢”だからである」(同上 p.124)…。バーク(エドシグサ・バーカ)は「『偏見の哲学』を展開し」(同上 p.129)、「偏見」とは「神への畏怖(宗教心)、王への畏敬、聖職者への崇敬、貴族に対する尊敬、判事たちへの服従……、というような『感情』のことを指している」(同上 p.130)。「僅かな智力しかない人間の理性は、『偏見』という服を何枚も着て初めて、漲るほどに豊かな智恵を得ることができる。自らの人格を高次の人間に向上させうる」(同上 p.131)。無知は力である(IGNORANCE IS STRENGTH)。
 「デカルト的合理主義の『設計(人間の知力)』による、非自然的で人工的な社会においては、人間の倫理・道徳は必ず死に絶える。伝統と慣習という、倫理・道徳が生命をうる土壌が破壊されてしまい、それが存在できなくなるからである」(同上 p.313)…。「ロックとは、社会をロボットや機械のようなものに人工的につくり直そうとしたホップス思想をたっぷりと吸いこんでいる思想家であった」(同上 p.320)…スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん、んはぁっ!「日本人は、社会のルールとしても個人の人格的自由の問題にとっても、慣習(conventions)である伝統的な道徳規範の墨守が大切であることを忘却した。いやそれ以上に、道徳について、それを積極的に破棄することをもって『自由』であると勘違いして今日に至っている」…「『美徳ある自由』のみが“真正の自由”である」(同上 p.324)。自由は隷従である(FREEDOM IS SLAVERY)。
 「女子中・高校生の売春(『援助交際』)が1990年代に入り猛威の伝染病となって日本中にあれほど広がったが、日本の大人たちはただうろたえるばかりで、なすすべもなくそれを放置した。理性主義のいかなる理論からも、倫理・道徳を擁護する知恵や知識は生まれてこない。つまり、理性主義に偏向した知見しか学校で与えられてこなかった日本人には、倫理・道徳を擁護する思考そのものがついに破壊されてしまったのである」(同上 p.325)…。「1980年代頃から始まった、家族をつくらない根無草的な『マージナル(余白的な)女性』の増大による出生率の低下が、日本の大借金の地獄の業火にさらなる油を注ぐから、日本の沈没は全世界の人々の好奇の注視と蔑みのなかでのたうちまわる『タイタニック号の悲劇』を再現するものになるだろう」(同上 p.337)…。「過去60年間、論壇・文壇で活躍する(した)日本の保守派知識人でバークを一冊でも読んだものは、八木秀次氏をはじめとする一部の例外を除き、驚くほど数が少ない」(同上 p.173)…。その八木秀次氏は「安倍首相はイデオロギーとしての保守主義を正確に理解している数少ない政治家の一人」(八木 p.31)だとしている。
 安倍晋三氏は、ディストピア小説『美しい国へ』の中で「『保守主義』、さらにいえば『開かれた保守主義』がわたしの立場である」(安倍 p.18)とする。「大学に入ってからも、革新=善玉、保守=悪玉という世の中の雰囲気は、それほど変わらなかった。あいかわらずマスコミも、学界も論壇も、進歩的文化人に占められていた」「ただこのころには、保守系の雑誌も出はじめ」(同上 p.24)ちゃったという。「かれらの主張には、当時のメインストリームだった考え方や歴史観とは別の見方が提示されていて、わたしには刺激的であり、新鮮だった。とりわけ現代史においてそれがいえた」(同上 p.25)…。「だからといってわたしは、ことさら大声で『保守主義』を叫ぶつもりはない。わたしには保守というのは、イデオロギーではなく、日本および日本人について考える姿勢のことだと思うからだ」(同上 p.26)…。姿勢=イデオロギー。そして、安倍晋三氏の中の人が高橋史朗氏と入れ替わり、「連合軍の最初の意図は、日本が二度と列強として台頭することのないよう、その手足を縛ることにあった」(同上 p.29)のであり「自主憲法の制定」を後回しにした「結果、弊害もあらわれることになった。損得が価値判断の重要な基準となり、損得を超える価値、たとえば家族の絆や、生まれ育った地域への愛着、国に対する想いが、軽視されるようになってしまったのである」(同上)などと言っちゃう。
 「90年代に入って、少子化は深刻な問題になったが、政府が『産めよ増やせよ』といったところで、子どもをつくるかどうかは、その人の自由」(同上 p.172)であるが「従来の少子化対策についての議論を見て感じることは、子どもを育てることの喜び、家族をもつことのすばらしさといった視点が抜け落ちていたのではないか、ということだ。わたしのなかでは、子どもを産み育てることの損得を超えた価値を忘れてはならないという意識がさらに強くなってきている」(同上 p.173)…。「子どもたちにしっかりした家族のモデルを示すのは、教育の使命ではないだろうか」…「家族がいて、子どもがいるというのは、損得勘定抜きでいいものだなあ、と思うことがよくある」…「子どもというのは、親の人生に圧倒的な充足感を与えるものだ」(同上 p.217)…。「戦後日本は、60年前の戦争の原因と敗戦の理由をひたすら国家主義に求めた。その結果、戦後の日本人の心性のどこかに、国家=悪という方程式がビルトインされてしまった」(同上 p.202)…。「問題はモラルの低下」、「気がかりなのは、若者たちが刹那的なこと」(同上 p.212)…「かつては家庭と地域社会が子どもたちのモラルを醸成する役割を果たしていた。人と人との助け合いをとおして、道徳を学び、健全な地域社会が構成されてきたのである」「そこで考えられるのは、若者たちがボランティアを通して、人と人とのつながりの大切さを学んでもらう方法だ」…「たとえば、大学入学の条件として、一定のボランティア活動を義務づける」(同上 p.213)…。
 中川八洋氏は「日本人の多くが、今や勤勉という徳性も棄てて、その日暮しに浮遊していないだろうか」「日本の迷走と衰落の原因の一つは、やはり日本国憲法にあるのは間違いない。日本国憲法は、緩やかな速度での社会主義革命を指向するもので、この憲法のある限り、日本は自己腐敗的、自己破壊的な過程から、精神の正気も、真理も善も美も、取り戻すことはできない。それに加え、高雅な倫理を否定する第9条がある限り、日本人の精神的堕落は永遠につづくだろう。倫理道徳とは、自己の生命より高い価値に自己犠牲の義務を課すことである」(中川 2002 p.4)と述べている。過労死は美徳である。アヒャヒャヒャヒャ ヘ(゚∀゚ヘ)(ノ゚∀゚)ノ ヒャヒャヒャヒャ

 

引用文献
谷沢永一中川八洋(1998)『「名著」の解読学 興国の書・亡国の書』徳間書店
中川八洋(1996)『正統の哲学 異端の思想 「人権」「平等」「民主」の禍毒』徳間書店
中川八洋(2004)『保守主義の哲学 知の巨星たちは何を語ったか』PHP研究所
八木秀次(2006)『公教育再生 「正常化」のために国民が知っておくべきこと』PHP研究所
安倍晋三(2006)『美しい国へ』文藝春秋
中川八洋(2002)『正統の憲法 バークの哲学』中央公論新社

【トンデモ】八木秀次「保守とは何か」(『正論』2017年3月号)

f:id:aki_mmr:20170202203806p:plain

 産経新聞(世界日報のようなもの)のオカルト雑誌『正論』2017年3月号は「特集 シン・保守のHOPEたち 誰がポスト安倍・論壇を担うのか」…。保守しぐさ。未来人ジョン・タイター八木秀次氏は「かつて『保守』を名乗ることにはリスクをともなった。『保守』とは『保守反動』であり、右翼や民族派と同一視された。しかし、最近は誰もが自分を『保守』と言いたい気分に駆られているようだ」(八木 p.55)とか言っちゃう。現在では「『保守』は頭の悪い危険思想の持主と思われ」(同上)ているが、八木秀次氏が住む未来のディストピアでは、そうではないらしい。「私自身は20数年前から自らを『保守主義者』と称してきた。そこにはリスクを伴ったが、私には『新しいカッコいい思想』という思いが強かった。『保守主義者』と称するようになったのは、西部邁氏の影響だった」…「社会科学の分野から理屈を与えてくれたのが西部氏だった」(同上 p.56)…。疑似社会科学しぐさ。「『保守主義』は庶民の生きて知った知恵を重視・尊重する思想である。一部のインテリによる上からの、世の中を設計し直すかのような急激な改革には違和感を持つ思想だ」(同上)…。神武天皇Y染色体理論を唱える一部のインテリ乙。
 鈴木邦男氏は『論座』2006年3月号で「本屋に出ている『諸君!』『正論』の方が右翼・民族派よりも過激」(鈴木 p.50)だとしていた。保守主義(カタツムリズム)は過激さを増してカルト化し、ポスト・オウムのへんないきものになっている。また、保阪正康氏は『論座』2006年5月号で「5、6年前からであろうか。奇妙な体験が重なるようになった。大学生相手の講演や市民を対象にした文化講座で昭和史を論じることがあるのだが、質問の折などに『先生の考えは、自虐史観ですね』と乱暴に決めつける者が出てきたのである」(保阪 p.41)と述べていた。うわぁ…。姜尚中氏は次のように指摘。「90年代以降から現在に至る、こうした論壇のキーワードは『反日』だ。およそこれまでの戦後論壇の歴史で、『反日』がキーワードになった時代はなかったはずだ。しかし、87年の赤報隊による朝日新聞阪神支局事件のころからとくに人口に膾炙するようになり、ここに来て『反日』を基軸に、明確な歴史修正主義が出てきた」(姜 p.65)、「今後、これらの雑誌はさらにデマゴギー的な性格を強めていくのではないか」(同上 p.68)、「『反日』をリトマス試験紙として、雑誌がラベリングのためのツールになり、『反日』だと烙印を押されてしまえば論争が成り立たなくなる。そして雑誌も、『反日』というモジュール(基準単位)を何度も組み替えているだけで、新規な論がほとんど見られず、タイトルだけを見ても、いつ出た論考か違いがわからない」(同上 p.69)…。同誌には西部邁氏と八木秀次氏の対談も載っちゃってる。八木秀次氏は「保守言論界が以前から主張していたものに、現実のほうが追いついてきたというだけのことです」(西部・八木 p.72)…。西部邁氏は「10年ぐらい前、八木君が保守言論界に登場したとき」「僕は大いに期待したんですよ。八木君は憲法学者でしょう」(同上 pp.74-75)…。えっ。憲法学者なのか…。八木秀次氏は「いま保守言論界の大勢を占めるのは社会科学系の論者です。そうした保守言論が左翼言論を粉砕しているところが確かにある」「最近、保守系が左派系の言論に理屈で負けたことはない」(同上 p.76)、「左翼が言い出した嘘やデタラメを一つひとつ、つぶしているのが保守論壇の仕事の一つ」(同上 p.79)…。Y染色体や親学は最強。
 高橋史朗氏(魔法少女)は『正論』2007年8月号で「『親学』は、毎日新聞が4月26日付紙面で『一部の保守系有識者が提唱している考え方』としているような代物などではない。複数の教育研究者が集まって蓄積を重ねた共同研究、実践の成果なのだ。私自身が個人的に書いたものでもなければ、個人で提唱しているものでは断じてない」(高橋 p.237)と述べていた。「毎日新聞は執拗に親学批判報道を繰り返すが、6月2日付紙面で親学の是非を調査した世論調査結果を明らかにし、『親学 賛成47%反対44%半ば』となったとしている。しかし、詳細にみると、20代の国民は68%が親学に賛成しているのだ」(同上 p.238)…。えっ。壇蜜氏によれば「若い人の方が『霊界』や『先祖の霊的な力』を信じる割合が増え」、「漫画やライトノベルの影響もあるんだと思います。そういう『霊界』『第三世界』とか、『死後』『黄泉の世界』とかに触れる漫画、アニメ、小説って今、多いですから」(壇蜜 p.19)とのこと。これが“脳内汚染”の実例です。
 親学は共同研究らしいけど、愛国アイドルももち(波平のようなもの)が「高橋史朗教授が中心になって『親学』というのを熱心にされています」(百地他 p.32)と述べているように中心は高橋史朗氏。朝日新聞(2016年6月17日)によると高橋史朗氏は「日本会議と親学をつなげるのは的外れ」とか言ってるけど、椛島有三氏(行き過ぎた個人主義クレーマー)は「『親学』は、男女共同参画に対する対案の意味を持つ」、「ジェンダーフリーに対する保守の側の回答」(椛島 p.25)と言っちゃってる。ちなみに第1次安倍内閣のとき「親学を提唱して家庭教育にまで政府が干渉するような態度を示した。これに対しては、『教育再生』支持に向いていた親たちからも批判が出、第一次安倍内閣失速の一因ともなった」(長山 p.229)という指摘もある。
 ついでに産経新聞の「自己責任」論を置いておこう。「WEBで発信している『MSN産経ニュース』で派遣村に関する意見募集をしたところ」「多くは『自己責任』を強調したもの」…「『自ら派遣の仕事を選んでおいて、大変になったら「助けてくれ」はおかしい』『貯金はしてなかったのか』『選ばなければ仕事はあるのだから、がむしゃらに働け』『40歳、50歳になって、資格なし、スキルなし、貯金なしとはどういうことか』」(赤堀 pp.256-257)。これが産経しぐさ。

 

引用文献
八木秀次(2017)「保守とは何か~イントロダクション」『正論』2017年3月号 産経新聞
鈴木邦男(2006)「愛国者はそんなに偉いのか 僕が本物の右翼から学んだこと」『論座』2006年3月号 朝日新聞社
保阪正康(2006)「あやうい保守言論の『内実』」『論座』2006年5月号 朝日新聞社
姜尚中(2006)「『反日』かどうかを尺度とする自家中毒 歴史認識をめぐって」『論座』 2006年5月 朝日新聞社
西部邁八木秀次(2006)「激論 異世代『保守』言論人 われわれの思想はどこへ?」『論座』2006年5月号 朝日新聞社
高橋史朗(2007)「間違いだらけの家族政策 なぜ『親学』は葬られたのか」『正論』2007年8月号 産経新聞
壇蜜(2016)「壇蜜の“あの世”問わず語り『死は怖くても、向こうの世界はハッピー!』」『霊性・霊界ガイド 物質世界の向こう側―あの世を感じて生きる 別冊正論28』産経新聞
百地章・石井昌浩・三好祐司 (2007)『いま、教育の大転換が始まる!新教育基本法と教育の再生』明成社
椛島有三(2007)「安倍政権の展望と課題 日本会議福岡総会における提言」『祖国と青年』 2007年7月号 日本協議会
長山靖生(2014)『「世代」の正体 なぜ日本人は世代論が好きなのか』河出書房新社
赤堀正卓(2009)「マスコミが黙殺した本当の『年越し派遣村』 派遣切り批判に名を借りた赤いイデオロギー」『正論』2009年4月号 産経新聞