【トンデモ】保守派の危ない教育論

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 私はやってない~潔白だ♪ 「反憲学連(反憲法学生委員会全国連合)」「の活動家たちはいちように『生長の家とは無関係』という。しかし、反憲学連が生学連(生長の家学生会全国総連合)とメンバー的にもダブっており、上部団体に日本青年協議会を有していることからも関係の深いことは疑いない」(林 p.205)。「反憲学連のA君は、『教師』になろうとしていた。『私は、教える立場に立って子どもたちに“日本人の理想”というものについて教えたいと思っています』といった」(同上 p.206)。A君は高橋史朗氏のフレンズなんだね
 統一協会の「世界平和教授アカデミーと称する反共学者組織が、近年の教科書攻撃の仕掛け人であったことは、あまりにも有名である」(同上 p.209)。統一協会(勝共連合)は「反憲学連と手をくんで、反共宣伝活動を展開したりしている」(同上 p.210)が「生長の家系の反憲学連と勝共連合=原理研が“協力”して」(同上 p.212)いるのは、「彼らには自らの“教義”を棚上げにしてまで、立ちむかわねばならぬ相手が存在するからであり、そのためには神も仏もあったものではないのだろう」(同上)…。神も仏もないが、髭はあるのが高橋史朗氏。
 「従来、改憲を主張し、『日教組解体』を叫ぶ勢力は、もっぱら学校の外から戦後教育に対する攻撃をしてきていた。ところが、今日、改憲を公然と口にし、日本国憲法教育基本法を否定する勢力が学校のなかに登場し、教壇に立って」(同上 p.226)いる…。2006年、教育基本法は「改正」され、それが「親学」推進の根拠になっている。「体罰の会」にも髭…じゃない顔を出している高橋史朗氏は「歴史認識問題の背景という意味では、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムの体系的研究も重要なテーマになる」(高橋・西岡 p.9)とデムパを飛ばしているが、このデムパの下のほうに「オカヤマ/脳幹トレーニング研究所」とかいうアレな広告が載ってる…。
 そして体罰マニアのヨット右翼戸塚宏氏は次のようなデムパを飛ばしている。「東洋的な考えでは性善説。すなわち本能が善であって、悪は理性の中にしか存在しない」(戸塚・野口 p.221)…「戦後教育が」「愛国心を否定し、国のために散った特攻隊を犬死に扱いにした。その結果、自分のことしか考えない生命力のない子どもたちが大量に増えてしまった」(同上 p.223)…「引きこもりもニートも、戦後教育の被害者だと言えます。誤った理性至上主義の西洋的精神論を教育から排除し、本能を重んじる和魂の教育に、一刻も早く立ち戻るべきでしょう」(同上 p.225)…「3歳を過ぎたら、体罰を与え始める」「3歳から5歳ごろまでに体罰をきちんとあたえておけば、その後、必要はなくなる」(戸塚 2007 p.222)…「非行も登校拒否も家庭内暴力もサカキバラも宅間もアキハバラニートも全て性善説で解決します」(戸塚 2009 p.153)…「性善説は科学です。性悪説は哲学です。実証され正しいのが科学、正しさを証明されてないのが哲学」「『本能は善』が性善説」「本音は善、きれい事は悪」「目的が善であるから、体罰は善です」(同上 p.161)…「首をひねるような凶悪な罪を犯すものは、共通して『罪の意識』が希薄です。罪の意識は罰を受けなければ出来上がりません。体罰が最も有効です」(同上 p.163)…「体罰を行う人間を子どもは尊敬します」(同上 p.164)…「発達障害の子どもって、ものすごく増えてるじゃない。あんなのインチキや」「昔から、自分の子どもを精神疾患だと言われ、納得できない親がうちに連れてくることがよくあった。やってみると、10人中8人は治る。昔はそういう子どもを発達障害なんて言わんやって」(戸塚・中村 p.49)…。
 さらにアラン・ソーカル…じゃない戸塚宏氏のデムパは『精神医学』2015年2月号に載ってしまう。そこでは、まず朝田隆氏が戸塚「先生は、戦後の日本の教育制度が駄目になったのは日教組のせいだと常々おっしゃっていますが」(戸塚・朝田 p.147)などと言い出し、戸塚宏氏は「日教組というよりも、マッカーサーのせい」(同上)云々と答え、「今、発達障害といわれる若者がものすごく多いですね。あれは、精神の病気だとされていますが」「発達障害と言われている人たちは、トレーニングで治るのです」(同上 p.151)と有害デムパを放っている。朝田隆氏は、そうしたデムパを「認知行動療法との共通点を感じるところもございます」(同上 p.152)などとしている。なにそれこわい。
 なお、「オウム真理教によるパソコン通信の利用は、1991年に始まった」…「1994年の調査の段階では、『オウム真理教ネット』の会員数は約300人で、うち約半数がオウム真理教信者」…「会員としてのID番号を持たないゲストの利用者もあるために、実際の利用者はこの会員数よりもかなり多いと思われる」(深水 pp.185-186)という。「パソコン通信というメディアの特性は、従来と違う種類の宗教集団の出現を予見させるものがある」「これまである特定の宗教への入信は、社会・家族関係すべてを賭けての行為であった。しかし、パソコン通信の匿名性という特徴は、宗教への入信を非常に気軽なものに」(同上 p.190)する。すごーい!気軽に高橋史朗氏のフレンズになれるんだね!

 以下、籠池泰典氏の「園長の部屋」より適当に引用しぐさ。

 

・平成22年3学期 日本よ、めざめよ!子たちの将来のために
 「昨年の、講演会の際」「中西輝政教授が『我国が保たれるかどうかはこの3年が重要な時期』とおっしゃっていました」…「山田宏先生の講演会を拝聴し、私とすべての考え方が一致したのには驚きましたし、感動しました」…。

 

平成23年2学期 変革の時、来たる!!
 「民主党議員とは、政治家という前に、人間としての当たり前の常識さえ欠落しているのか。否、日本人としての常識を持っていない、エセ(ニセ)日本人なのだということが、皆が知ることとなった」…「TPP条約締結などもってのほかであり、国民の信託にこたえていない」…。「おとなしく、秩序高く、和を尊び秩序を重んじる日本人」…「日本人に他の国があわせるのが、ダーウィンの進化説にあっているのではなかろうか?」…。「皇室を中心とした日本に誇りを持つ教育をし、DNAの中に育まれた素晴らしき才能を堂々と表出せしめることが重要であります」…。

 

・平成25年1月11日 園長の部屋 1月
 「今年の正月元旦は心穏やかに平穏な気持ちで、しかも希望を持って迎える事ができました。安倍晋三自民党政権が再登場したからに他なりません」…「『個』の利益ではなく『公』の利益の為、『国家』『国民』の為に奮闘してもらいたい」…「日本が戦後レジュームから脱却いたすよう、心から念じています」…。安倍晋三氏キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

 

・平成25年3月1日 園長の部屋 3月
 「支那の国はマスコミを使い、インターネットを使い日本国国論の分断をはかってきた」…「すばらしき日本の2673年にわたる歴史と伝統に培われた日本人」…「“和を持って貫し”とする大らかな気持ちを持っている事は大切」…。和の精神を持つ民族、“和民”こそが真の日本人であり過労死は美徳。アヒャヒャヒャヒャ ヘ(゚∀゚ヘ)(ノ゚∀゚)ノ ヒャヒャヒャヒャ

 

・平成25年7月23日 園長の部屋 7月
 「安倍晋三政権と相連動し、教育的観点から繰り出してきた真の日本人教育を進めている塚本幼稚園」…。

 

平成26年1学期 天とのミッション
 すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を。「この一体感こそが一民族・一国家・一文明と言われる所以です。国民の同質性は日本人賞賛される特質であります」…「安倍晋三政権になって日本及び日本人が本来の姿に回帰し始めたのです」…。

 

平成26年3学期 緊張感は大切です
 「人を安易に殺傷する事件が多くありますが、これはまっとうな宗教的情操感、全うな道徳感、全うな家族感とか全うな歴史感とかを忘れ去っての結果だと思います。また、いい年をした人でも物事に対する罪悪感が摩耗している人が多いのにも唖然とします」…。唖然しぐさ。

 


引用文献
林雅行(1983)『国民学校の朝がくる』柘植書房
高橋史朗西岡力(2016)「巻頭対談 歴史認識問題研究会は何をめざすのか」『明日への選択』2016年12月号 日本政策研究センター
戸塚宏野口健(2008)「異色対談 本当の"生きる力"とは何か 本音で語る『体罰のすゝめ』」『正論』 2008年10月号 産経新聞
戸塚宏(2007)「恥はかかせろ、いじめはなくすな」『新潮45』2007年6月号 新潮社
戸塚宏(2009)「我が教育進化論 科学としての和魂」『日本主義』2009年1月 白陽社
戸塚宏・中村計(2016)「SAPIOインタビュー 戸塚宏(75)戸塚ヨットスクール校長 ニートまで『個性』と捉える教育への疑問 改めて言う。『体罰は教育だ』」『SAPIO』2016年8月号 小学館
戸塚宏・朝田隆(2015)「講演録 私の脳幹論」『精神医学』2015年2月号 医学書院
深水顕真(1996)「オウム真理教パソコン通信 電子メディアの発達と宗教教団の変容」池上良正・中牧弘允編『情報時代は宗教を変えるか 伝統宗教からオウム真理教まで』弘文堂