高橋史朗氏は、妄想を現実に変える力を持つ“ギガロマニアックス”である。「日本教育研究所は、生長の家系の教員・学生の組織で高橋史朗は事務局長(のち副所長)」(林 1984 p.191)であった。「高橋は、臨教審専門委員も勤め教育基本法に大ナタをふるった男である」(林 1990 p.61)。「勝共連合のキャンペーンの尻馬にのって」(同上)「高橋は『月曜評論』の後、産経新聞社の月刊誌『正論』(89年2月号)に登場、『Xデーにかける日教組の“陰謀”―マスコミが報じない実態を暴く』とのセンセーショナルな題をつけた論文を書いている」…「勝共連合と生長の家の『日教組批判』の大合唱にほかならなかった」(同上 p.62)。また、「日本を守る国民会議は」「機関紙『日本の息吹』第5号(85年1月1日付)で、<御在位60年奉祝>の特集を組んでいる」「この特集では、天皇よりも文鮮明を《天》にいただいているはずの勝共連合の役員が、《天皇陛下ありがとうございます》と口をそろえている」(青木 p.34)…。「『日本を守る国民会議』は、いくつかの点で従来の“改憲”団体とは違った性格と陣型を持っており、けっして『またか』といって見逃すことができない」(佐藤 p.150)。「同会の母体となったのは」「生長の家、神社本庁など超右派宗教団体が中心となって組織された元号法制化実現国民会議」(同上 p.151)。「“草の根”の運動を起こす方針で」「現実路線に立って改憲運動を進めようとしている」(同上)。「彼らは、『国防』と『教育』を前面に押し出し、世論づくりを進めつつ、その中から、『どうしても改憲しかない』方向へ国民の意識を誘導する運動方針を立てている」(同上 pp.151-152)。「こうした“本物”の改憲派=現実派の登場の上でもう一つ注目されるのは、この運動が保守陣営のみならず中道陣営、とりわけ公明党の右傾化に期待をかけ、その取り込みをねらっていることである」(同上 p.153)。「彼らは、あの手この手のデマ宣伝を流し、権謀術数をろうし、青年たちの心に忍び込もうとしている」(同上 p.155)…。特に高橋史朗氏のデマしぐさは危険である。
高橋史朗氏は、エル・カンターレを《天》にいただいているはずのへんないきものたちとも組んでしまう。高橋史朗ゼミ(修士課程)出身の森虎雄氏のトンデモ本には、「心のコップが下を向いている子供が多い」「そのような『今の自分』を責める自己否定の深層心理は、自分を生んだ父祖や自国の歴史を否定する心理と直結している」「戦後の平和教育は日本の加害と侵略の側面のみをことさら強調し」(森 p.1)…「わが国の戦後の平和教育の淵源となったのは、占領軍の民間情報教育局のウォー・ギルト・インフォメーションプログラム」(同上 p.2)云々という高橋史朗氏のデムパ(推薦の言葉)が載っている。そして、森虎雄氏は次のようなデムパを飛ばしている。「保守論客の皆さんの活躍などで風向きは変わってきたように感じることもありますが、日本人の国家観を損なう教育が日々全国で着々と行われている」(同上 p.5)…。「私は、自虐史観から目覚めました」「そのきっかけのまず一つ目は、1997年3月7日に幸福の科学の『繁栄への道』という講演で聞いた、大川隆法先生の一言でした」(同上 p.22)…。さらに「高橋先生からは、『ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(War Guilt Information Program)』の存在を教えていただき、どういう理由で戦後の日本の歴史教育が歪められてきたのかを知ることができました」(同上 pp.23-24)…。「高橋先生の教育委員就任は県知事の肝いりでしたが」「左翼勢力から激しくバッシングされました」「そのバッシングの模様はインターネット上にあったのですが、今はほとんど痕跡がありません」(同上 p.156)…。試しにインターネッツで適当に検索すると…高橋史朗氏が出てる“ビデオは「性教育過激派のねらい」”“性教育の中学校用と高校用の副読本が画面に現れまして、なんとそれに火が付けられ、燃やされるシーンで終わる”…焚書しぐさ。“このビデオは高橋氏自身が表明しているところでは、勝共連合系の団体から依頼されて出演”…。ここは酷いインターネッツですね。「実は、高橋先生教育委員就任の直前に、私は当時の勤務校で高橋先生に全校生徒対象の講演をしてもらっていたのです」「先生は講演料を大幅に値切ったにも関わらず来てくださいました」(同上 p.157)…。あっ…(察し)。
引用文献
林雅行(1984)『教育に「日の丸」を 子どもをねらう草の根ファシズム運動』汐文社
林雅行(1990)『天皇崇拝 教師と子どもたち』柘植書房
青木慧(1985)『パソコン追跡勝共連合』汐文社
佐藤達也(1982)「逆流をつくりだす者たち」 三浦孝啓編『カーキ色の教育風景』東研出版
森虎雄(2013)『反日日本人は修学旅行でつくられる』幸福の科学出版