【トンデモ】八木秀次『反「人権」宣言』

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 未来人・ジョン・タイター八木秀次氏が現代に来ちゃって「電車の窓から何気なく外を見ていたら『21世紀は「人権の世紀」です』という文字が飛び込んできた。公共施設の壁紙に掛けられた垂れ幕の文字である」(p.197)。もちろんY染色体八木秀次氏のいた未来では「ビッグブラザーがあなたを見ている(Big Brother is watching you)」の文字であり、「『人権』は否応なくエゴイズムを是認し、またそればかりか歴史を否定し、家族や学校などの共同体を解体に導き、秩序を混乱させるような政治的主張をも肯定するものである」(pp.199-200)とされちゃってる。
 カタツムリ・八木秀次氏は「『ジェンダー・フリー』とは雌雄同体、雌雄の区別がつかないカタツムリのような生き物に人間をしてしまおうという発想」(p.183)だとし、「現代の家族は危機的な状況にある」「『人権』が家族の結束を脆いものにし、解体させている」(p.121)と警告している。また、疑似「脳科学者の澤口俊之氏は、人間は生物のなかでも未熟に生まれて来るが、そのなかでも日本人をはじめとするモンゴロイドは他の人種に比べても未熟」(p.191)…云々を紹介し、「今日の青少年のさまざまな荒廃現象は、澤口氏の言うように前頭連合野の未発達によるものと考えると納得がいく。そうであるなら、『男女共同参画』ないしフェミニズムの発想が今日の青少年の荒廃現象を間接的に招いた」(同上)…。
 「人権」は「日本人的感覚とは全く異質のもの」(p.12)、「少年犯罪・非行の背景には『人権教育』の過剰と『道徳教育』の欠如がある」(p.104)、「戦後は一貫して『規範の喪失の時代』」(p.105)、「今日の子供たちの荒廃ぶりは」「戦後の社会風潮の“成果”」(p.106)…。実際には少年犯罪は増えておらず、八木ツムリ氏も「犯罪は増えていないという論評が見られる」(p.107)としているが、減少は増加である(新語法)。「農耕社会を基盤とする日本では他との協調を重視し、争い事や自己主張を嫌う。日本人の多くは『権利』『権利』と叫んで自己利益の実現を主張する姿勢に違和感を覚える」(p.23)のであり、高橋史朗氏のように自己主張してデムパを飛ばす者は嗤われてしまう。カタツムリズムの思想家の「バークが最も嫌悪したのは、現在ただ今を生きている者が、ただそれだけの理由で、まるで万能者であるかのように、祖先を顧みることなく、その『理性』を振り回して世の中を変革しようなぞという『なりあがりの高慢』な態度を示すことで」(p.61)あり、「『理性的で人間的な自由』」「という発想は無秩序をもたらす」(同上)のである。つまり人類は「理性」を捨て、カタツムリ(八木秀次)になることによって秩序が保たれくぁwせdrftgyふじこlp。

 

引用文献
八木秀次(2001)『反「人権」宣言』筑摩書房

【トンデモ】関野通夫『続・日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお蔓延るWGIPの嘘』

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 『保守論壇を狂わせたデムパ いまなお蔓延る高橋史朗氏の嘘』…じゃない、えっと、『続・日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお蔓延るWGIPの嘘』(関野通夫氏のトンデモ本)も酷すぎる。関野氏は前作のトンデモ本を書いて「日本人は何故かくも簡単に騙され、洗脳に引っかかりやすいのか、という疑問が沸き起こ」(p.2)ったという。その騙されやすい日本人の関野氏は「南京事件慰安婦問題は、中・韓・反日左翼による全くの捏造」(p.18)、「南京事件日本兵が行ったとされる残虐行為は、実は中国人ならこうやるということを日本兵に投射したもの」(p.95)、「欧米人の思考法は左脳的で、日本人の思考法は右脳的」(p.22)、「アルファベットというデジタル的な文字しか使わない欧米人は、必然的にデジタル思考に、漢字というアナログ的文字しか使わない中国人はアナログ的思考にと、単能的にならざるを得ません」(pp.22-23)、「農耕民族の日本人は状況対処型で、狩猟民族の欧米人や中国人は状況作為型」「中国人やアメリカ人は、あまりに堂々と嘘をつくので、まじめな日本人は、つい本当だと思ってしまう」(p.37)、「日本人特有の言霊信仰」(p.64)、「『正しい家族観』の喪失もWGIPの狙い」(p.100)、「家族崩壊は、占領軍が推し進めた戦後教育の影響が大」(p.101)とか高橋史朗氏のようなデムパを飛ばす。「平成25(2025)年」(p.99)は、たぶん誤記しぐさ。「メディアの報道は、眉に唾付けて見、読み、聞き、簡単に信用しないようにしないと、とんでもない嘘を事実として刷り込まれしまう危険があり」(p.30)、産経新聞を鵜吞みにすると高橋史朗氏に騙され、WGIPしぐさを信じちゃう。

 

引用文献
関野通夫 (2016)『続・日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお蔓延るWGIPの嘘』自由社

【書評のようなもの】岡和田晃・マーク ウィンチェスター編『アイヌ民族否定論に抗する』

 アイヌ民族否定論を広めたのはキバヤシよしのり氏(こヴぁゃιぃ)である。「アイヌについての先住民族性と民族性(エスニシティ)を否定するロジックは、2008年に発売された小林よしのりの漫画『ゴーマニズム宣言 スペシャル』でアイヌを題材にした時にまでさかのぼ」(p.59)ることができる。「最近、小林よしのりネトウヨを批判しているのですが、そもそも、ネトウヨを生み出したのは小林の言説によるところが大」(p.24)きい。「小林の『わしズム』でアイヌを取り上げたあと」「『撃論』や『WiLL』や『SAPIO』や『正論』といった保守雑誌で、大手を振って同様の主張が再生産されました。これらは保守雑誌というより、ネトウヨ雑誌かレイシズム・マガジンと言ったほうが正確」(同上)だろう。また、「小林の議論に特徴的なのは、アイヌの政治的主張を『特権』の要求とみなすところだ。これは、歴史的に差別抑圧を被ったことへの回復措置を特権と称して攻撃する在特会のロジックとも同型で、現代の差別主義の特徴的な要素でもある」(pp.183-184)。

 

引用文献
岡和田晃・マーク ウィンチェスター編(2015)『アイヌ民族否定論に抗する』河出書房新社

【トンデモ】「(憲法を考える)家族の助け合いとは」(ももち)

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 朝日新聞(2016年10月15日)に愛国アイドルももちが湧いてた…。ももちは「戦後の憲法によって、日本の伝統的家族は破壊されてしまいました」と意味不明な供述をし、「家族は、高齢者を介護する場でもあります」「可能なら介護はできるだけ家族でした方がよいと思います」「家族に対する国民の意識を取り戻すために、憲法で家族の保護をうたうことが必要です」とか言ってる。それって家族の負担が増えるだけで「保護」にならないじゃん。なんてことだ。「家族解体の運動」をしているのは、ももちだったのか…。

【書評のようなもの】神奈川新聞「時代の正体」取材班『ヘイトデモをとめた街』

 神奈川新聞「時代の正体」取材班の『ヘイトデモをとめた街』を読みオワタ。「ヘイトスピーチヘイトクライムを招き、歴史を振り返れば、その行き着く先はナチスによるホロコーストであり、関東大震災における朝鮮人虐殺である」( p.39)。ヘイトデモのカウンターに対して「『タムラ』と名乗る男がマイク越しに」「『通りすがりのレイシストです。差別をやめろと言っているが、この国に差別なんかありますか。見たことも聞いたこともない』」(p.60)などと言い出す…。(´・ω・)つ鏡
 「強制連行、従軍慰安婦という歴史の事実を無視し、ねじ曲げた認識を基に『日本をおとしめる』という架空の在日像をつくり上げ、ありもしない『特権』に憎悪を肥大させるヘイトスピーチ」(p.96)と重なるのは、日本会議(行き過ぎた個人主義の集まり)の高橋史朗氏らが撒き散らした歴史修正主義(デムパ)言説が大手を振る時代の空気。もちろん実際に「日本をおとしめる」のは「タムラ」や高橋史朗氏ら。

 

引用文献
神奈川新聞「時代の正体」取材班(2016)『ヘイトデモをとめた街』現代思潮新社

【トンデモ】高橋史朗・長谷川三千子他『ちょっとまって!夫婦別姓 家族が「元気の素」になる』

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 高橋史朗氏・長谷川三千子氏・その他へんないきものたちのトンデモ本『ちょっとまって!夫婦別姓 家族が「元気の素」になる』はデムパ飛ばし過ぎ。高橋史朗氏は、選択的夫婦別姓の法案について「フランスの核実験や阪神大震災住専問題よりもはるかに『重大な危機』を招来することが確実な法案」(高橋 p.148)とか言い出し、「今日の夫婦別姓論は、フランス革命に淵源する近代立憲主義マルキシズムフェミニズムの思想とが相まって、個人主義の原理を徹底させ、日本社会から『家』的な要素を徹底的に払拭せんとする『文化大革命』を目指しているといっても、決して過言ではなかろう」(同上 p.153)などと妄想しちゃう。「家」的な要素が生長してそう。「わが国では、フランスで否定的に総括されているフランス革命に淵源する近代立憲主義の理念に立脚して『家』制度が否定的に理解されているのである。何という時代錯誤であろうか」(同上 p.157)…。近代を超克して、あっちの世界に逝っちゃってそう。

 

引用文献
高橋史朗(1997)「夫婦別姓がもたらす『重大な危機』」高橋史朗長谷川三千子他著『ちょっとまって!夫婦別姓 家族が「元気の素」になる』 日本教育新聞社

【トンデモ】高橋史朗『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』

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 高橋史朗氏のトンデモ本『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』のデムパも酷い。高橋史朗氏によると「戦後の日本人は占領政策によってはめ込まれた『義眼』によって、『日本の心』を喪失し、日本の文化、歴史、伝統に対する自信を失ってしま」(p.295)ったのであり「その義眼をなしているものが『ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム』であ」(p.17)るという。「しかし、アメリカに責任を転嫁して反米を唱えることは愚かなこと」(p.295)らしい…。アメリカに配慮しぐさ。そして「家庭でも学校でも会社でも、かつての日本には見られなかったような事件が多発し」「その源にGHQの占領政策の影響がある」(p.13)とのこと…。“会社でも”ってワタミかな。もちろん「多発」は誤りで「戦前・戦中(1926~45年)の殺人事件の人口10万人当たりの発生件数は1.25~4.14件で、2014年の0.83件より高い」(毎日新聞 2016年1月25日 東京夕刊)。
 高橋史朗氏は次のようにデムパを飛ばしまくる。「私がアメリカ留学を終えて日本に帰ってくると、ソニーの名誉会長・井深大さんから講演を頼まれました。井深さんが突然電話をしてこられて『先生の論文を「Voice」という雑誌で読みました。ソニーの幹部を集めるので話をしてくれないでしょうか』といわれたのです」…。井深しぐさ。「占領政策に端を発した男女平等教育の成果ははっきり出て」「近年、草食系男子が増えたというのも、その一つの成果」(p.171)…。草食しぐさ。そういえば牟田口廉也氏が「日本人は草食動物である」と言っていた気がする(気のせい)。
 「占領軍によってはめ込まれた『義眼』が今日の日本にどういう影響を与えているか」(p.174)について高橋史朗氏は「子供の『脳内汚染』が起こっているという現状」(同上)を指摘し、学級崩壊を例に挙げ、「『新型学級崩壊』の背景には、軽度発達障害が増えたこと、モンスターペアレントが増えてきたこと」(p.175)があるという。「平成24年、親学推進議員連盟を立ち上げて」「勉強会のときに『新型学級崩壊』の映像を見てもらったところ」「議員連盟の会長であり自民党総裁であった安倍さんが『これは休憩時間ですか』と聞かれました」(p.176)…。これは休憩時間ですかしぐさ。「アメリカでは」「不登校は親の教育怠慢だと明確に示されてい」(p.180)るとか、「イギリスでは『子育て命令法』を制定し」「子供が更生して登校できるまで最長で1年間、親の講習を義務づけ」(p.181)ているとか、「日本では不登校は親の責任ではないのです。そこに問題点がある」(同上)とか言い出し、米英に「義眼」をはめ込まれ、無理矢理登校させるしぐさ。さらに「非行と発達障害の関係」(p.182)に言及し、ある更生施設を視察して「9割が発達障害の二次障害で、昔の非行少年とはだいぶ様相が違う」(同上)とか書いているけど、その根拠は示されていない…。決めつけしぐさ。
 「1980年代に男女雇用機会均等法ができ」「保育所に子供を預けて働いたほうが得という損得勘定が生まれてきた」「時代の必然であったかもしれませんが、今は明らかに行き過ぎた状態」(p.214)…。行き過ぎた保育所しぐさ。「結婚は大変だ、子育ては大変だというマイナスイメージが強調されているために未婚化・晩婚化が進み、結果として少子化という現象が生まれている」(p.221)…。マイナスイメージしぐさ。「今後は『育児と介護は社会にやってもらう』という丸投げの社会ではなく、日本型福祉社会への転換が求められている」(p.233)…。日本型福祉社会しぐさ。「客観的データによって『朝ご飯を食べれば食べるほど学力が高い』ということも証明されています」(p.235)…。疑似相関しぐさ。「親学推進協会では、日本財団から1億円以上の助成をいただいて約1500名の『親学アドバイザー』を育成」(p.243)…。日本財団助成しぐさ。大阪の「家庭教育支援条例」で親学が批判されたとき、「抗議は私のところにも寄せられました」「長谷川三千子先生から『感情的に反発しているのだから、弁明しないほうがいい』とアドバイスをいただきました」(p.258)…。三千子しぐさ。「親学推進議連の活動が1年半ストップしている最大の原因は発達障害問題の批判を政治家が恐れているからです。しかし、誤解を正すことを政治家に求めることには無理があると気づきました」(p.262)…。無理に気づきしぐさ。「第一次安倍政権下の教育再生会議の親学提言に対して、毎日新聞が」「厳しく批判したことで、一つ目のパンドラの箱が開いてしまいました。さらに大阪維新の会の騒動で発達障害と関連した誤解という第二のパンドラの箱も開いてしまい」(同上)…。パンドラの箱しぐさ。「秦郁彦という人が」(p.270)…。秦郁彦氏の扱いが酷いしぐさ(秦郁彦氏は『陰謀史観』で高橋史朗氏を批判しぐさ)。「東中野修道さん」(p.272)…。東中野修道さんしぐさ。
 アメリカに逝っているとき「朝から晩まで資料と格闘しました。食事はラーメンと椎茸と乾燥わかめだけ。人にまったく会わなくなったので、無精ひげも生え」…「実は、戦後50年たったとき、一度ひげをさっぱり剃ってしまったことがあります。もともとはひげはなかったのだから、『こんなものは取ってつけたものだ。このひげ面は本来の自分ではない』と思ったのです」(p.283)…。あっ…(察し)。

 

引用文献
高橋史朗(2014)『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』致知出版社