【書評のようなもの】神奈川新聞「時代の正体」取材班『ヘイトデモをとめた街』

 神奈川新聞「時代の正体」取材班の『ヘイトデモをとめた街』を読みオワタ。「ヘイトスピーチヘイトクライムを招き、歴史を振り返れば、その行き着く先はナチスによるホロコーストであり、関東大震災における朝鮮人虐殺である」( p.39)。ヘイトデモのカウンターに対して「『タムラ』と名乗る男がマイク越しに」「『通りすがりのレイシストです。差別をやめろと言っているが、この国に差別なんかありますか。見たことも聞いたこともない』」(p.60)などと言い出す…。(´・ω・)つ鏡
 「強制連行、従軍慰安婦という歴史の事実を無視し、ねじ曲げた認識を基に『日本をおとしめる』という架空の在日像をつくり上げ、ありもしない『特権』に憎悪を肥大させるヘイトスピーチ」(p.96)と重なるのは、日本会議(行き過ぎた個人主義の集まり)の高橋史朗氏らが撒き散らした歴史修正主義(デムパ)言説が大手を振る時代の空気。もちろん実際に「日本をおとしめる」のは「タムラ」や高橋史朗氏ら。

 

引用文献
神奈川新聞「時代の正体」取材班(2016)『ヘイトデモをとめた街』現代思潮新社