【トンデモ】「教育現場に浸入する『オカルト』『疑似科学』」(『世界』2022年12月号)

 宗教社会学者の塚田穂高氏は、「宗教」教育の懸念点を指摘している。その一つに「教育現場に浸入する『オカルト』『疑似科学』的内容という問題がある例えば、文科省が2014年から道徳の副教材として全ての子どもに配布した『私たちの道徳』(小学校5・6年)には、江戸しぐさという歴史学的根拠がない『偽史』マナーが載っている。水からの伝言という、水に『ありがとう』などのポジティブな言葉を書いた紙を貼ったり、クラシック音楽を聴かせて凍らせると美しい結晶となるといった言説が、特に道徳の授業などで取り入れられた動きもあった。『EM菌』という、特定の宗教団体等で『万能』と謳われるも、科学的検証は不透明な雑菌が『水質が浄化される』などと環境教育に活用されている例も相次いでいる。また、隣接領域では、発達障害は親の養育の失敗で発生するもので、『伝統的子育て』により予防できるなどと説く『親学』も一定の広がりを見せている」(p.73)。
 一方、宗教右派系御用学者の高橋偽史朗師は、親学推進議員連盟の解散について「その事情については今は明らかにできないが、いずれ『親学つぶしの元凶』の正体を明らかにしたい」(https://www.moralogy.jp/salon220927-01/ 検索日:2022年11月10日)と述べている。300人委員会の陰謀ですね、わかります。

 

引用文献
塚田穂高(2022)「令和日本の『政教問題』」『世界』2022年12月号 岩波書店