【書評のようなもの】島薗進『大学4年間の宗教学が10時間でざっと学べる』

 「アメリカではキリスト教福音派共和党の強力な支持母体の一つとなり、政治に強い影響力を及ぼすようになり」…「近年、日本の右派勢力は伊勢神宮と皇室の結びつきを強調すると共に、中国や韓国・北朝鮮を敵視し『反日』と呼ぶ動きが強まってい」(p.190)る。これが宗教ナショナリズムの実例です。
 「1980年代以降、アメリカでは公立学校教育でダーウィンの進化論だけを教えるのに反対する運動が勢いを増し」…「キリスト根本主義(原理主義)の人たちは」「創造説を『インテリジェント・デザイン』説と言い換え、それを教えるべきだとした」(p.192)。日本では文が鮮明な原理の人たちがサムシング・グレートを教えようとしている。勘ぐれ…!サムグレ(サム晋三グレート)を崇めよ!あべぴょん頑張れ!
 キリスト教右派は、「政治的な論点としては、反同性愛、反中絶、反尊厳死、反共産主義、反イスラーム主義、反フェミニズムなどを掲げ、伝統的な家族観を重視し、小さな政府を志向し」(同上)、八木秀次(高橋史朗)のようなものである。この思想は“晋保守主義”ともいう。あべぴょん頑張れ!
 「日本では1980年代の統一教会霊感商法や、1990年代のオウム真理教が関与した諸事件などを契機に、反社会的な傾向があると見なした宗教団体をカルトと呼ぶ」(p.196)ようになった。そして、統一教会と関りがあり、オウムにも似ている“高橋らの集団”が大好きな「戦前の皇軍(天皇の軍隊)は聖戦を戦ったとも捉えられて」(p.216)おり、中村粲はデムパソング“大東亜聖戦の歌”を作っちゃった。

 

引用文献
島薗進(2019)『大学4年間の宗教学が10時間でざっと学べる』KADOKAWA