【トンデモ】陰謀論しぐさ(高橋偽史朗のようなもの)

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 「1973年の石油ショックのあとにきたインフレで、戦後の四半世紀、知性と責任感で知られていた中規模の出版社が苦しくなる。きわもの的な本を出す小出版社が市場に進出」…「自称『研究家』『評論家』の書いた煽情的な書物が、そのようなものを専門にだす出版社から刊行されるようになっていた」…「日本はいまどのような立場におかれているか、将来はどうなるのかという疑問について、安直な解説をする書籍が市場にあふれる。1990年、ノストラダムスの予言について書かれた本が飛ぶように売れ、そのことは新聞にも報道された。しかしそれよりもっと売れたのは、日本が苦境にあるのは、日本を滅ぼそうと企てている、強大なユダヤ人の陰謀のせいだ、と主張していた本である」(pp.352-353)。
 「1987年3月12日の『ニューヨーク・タイムズ』は、日本では悪質な反ユダヤ主義思想の書物が大ベストセラーになっていると報道していた」(p.24)。「1992年7月の参議院議員選挙の候補者名簿に、地球維新党という反ユダヤ主義の党がはじめて名をつらね」「それはごくごく小規模ながら、反ユダヤ主義が政治運動に発展したことを意味していた」…「候補者の一人、藤波典雄の選挙運動ビラには、『神国日本をユダヤ悪魔教に売り渡す売国奴を討て!』とあり、『地球維新党は、ユダヤ(パリサイ派)の世界征服、世界人間牧場の野望を弾劾し、八紘一宇、世界皇化、地球新秩序のために邁進する』ことを目的にしていると宣言している」(p.401)。こうした反ユダヤ主義の活動について「西尾幹二は楽観していた」…「西尾は、日本にやってくる外国人には入国を許可する前に血液検査、知能検査をして、前科の有無も調べるべきである、と提案するような人物でもあった」(p.402)…。
 「1995年1月、オウム真理教は機関紙『ヴァジラヤーナ・サッチャ』第6号で、『恐怖のマニュアル――完全世界征服! ユダヤの野望』という特集を組んでいた。巻頭言で編集部は世界征服をたくらむユダヤ人に宣戦布告をしている」(pp.411-412)。オウム真理教は「『シオン賢者の議定書』を随所に引いて、そのデマをくりかえしている」(p.412)。「オウム真理教はまったく独自の思想から、あるいはなにもなかったところから忽然と姿をあらわしたわけではない。その出現を準備する下地は日本にすでにあった」(p.417)と考える必要がある。
 『ヴァジラヤーナ・サッチャ』第6号では、GHQ3S政策300人委員会が登場し、高橋史朗(高橋偽史朗)に似ているが、「生長の家」も『ユダヤ問題論集』(昭和13年)で「シオン議定書」を掲載し、3S政策フリーメイソン陰謀論を唱えていたので、同じことを繰り返しているに過ぎない。『日本週報』の「3S謀略」特集号の読者投稿欄に小田村四郎(30歳)…そっ閉じ。

 

引用文献
デイヴィッド・グッドマン、宮沢正典、藤本和子訳(1999)『ユダヤ人陰謀説 日本の中の反ユダヤと親ユダヤ講談社