【書評のようなもの】週刊金曜日編『検証 産経新聞報道』

 『検証 産経新聞報道』を読み終えたので引用しぐさ。「インターネット上での『産経新聞』の存在感はあなどれない」…「2007年の10月から2014年の9月まで」「『MSN産経ニュース』というニュースポータルサイトを運営」(能川 p.14)…。産経新聞(月刊ムーのようなもの)はインターネッツ上にデムパを撒き散らしてきたのである。ここは酷いインターネッツですね。もちろんトンデモな「『産経』の歴史戦が“敗戦”必至なのは明らか」(同上 p.110)。「『歴史戦』は侵略戦争や植民地支配の被害者の尊厳を改めて踏みにじることで、同時に『日本を貶め』ることになっている」(同上 p.111)…。
 「『産経』の紙面には、常に①『反日勢力』や『サヨク』、『プロ市民』といった、通常の言論機関では設定されないはずの『敵』を意味する表現の多用、②目的意識的な戦前の国家及びその対外行動としての戦争に対する正当化の志向、③それに対する隣国からの批判への過度の敵対意識――といういくつかの特徴が、濃厚に認められる」…「インターネット上に溢れる『歴史認識問題』の右派の玉石混淆の情報源の多くが、『産経』の記事に由来しているケースが多い」(成澤 p.177)…。産経新聞ネット右翼のようなものである。
 「『産経』は2002年からネットニュースの発信にも力を入れており無料で読めるネット記事も多く、また記事を早くに消すこともせず、長くネットに残しているのが特徴である。インターネットでも『フェミナチを監視する掲示板』などの掲示板や2ちゃんねる、ブログなどが幅広く存在し、ジェンダーフリー批判がニュースで流れると、ネット掲示板でもそれを引いて活発な議論が行われた」(斉藤 p.203)。「高橋史朗は、『産経』に『ジェンダーフリー』を1998年に初めて登場させた。2000年~2005年の間に『産経』に高橋が登場するのは123件」(同上 p.211)…「一方、家庭教育については『家庭教育の二本柱である父性と母性』を重視し、『父性と母性のバランスのとれた親学が必要だ』」(同上 pp.211-212)とデムパを飛ばしていた。
 「自民党推薦で参議院予算委員会(1981年3月9日)に参考人として呼ばれた名越二荒之助・高千穂商科大学助教授は、歴史教科書が江戸時代について、一揆のことばかりで内容が暗いので歴史嫌いが増えていると強調。対策として『歴史を面白く学べるように水戸黄門赤穂浪士を教えるべきだ』などと発言し、自民党議員席からも失笑が漏れた」(高嶋 pp.234-235)…。あっ…(察し)。

 

引用文献
能川元一(2017)「『産経新聞』の“戦歴”『歴史戦』の過去・現在・未来」週刊金曜日編『検証 産経新聞報道』金曜日
成澤宗男(2017)「日本会議との『浅からぬ関係』」週刊金曜日編『検証 産経新聞報道』金曜日
斉藤正美(2017)「フェミニズム男女共同参画へのバッククラッシュ」週刊金曜日編『検証 産経新聞報道』金曜日
高嶋伸欣(2017)「安倍政権の沖縄政策を混乱させている『産経』」週刊金曜日編『検証 産経新聞報道』金曜日