【書評のようなもの】俵義文『日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態』

 俵義文氏の『日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態』を読みオワタ。戦争は平和である(WAR IS PEACE)法案について「合憲だと主張する憲法学者もたくさんいる」とか言われていたとき、3匹しか出てこなかったへんないきものは「全員日本会議の中心メンバー」(俵 p.8)である。この日本会議は「明らかに歴史修正主義で」「極右組織である」(同上 p.10)といえる。極右=“極めてトンデモな右翼”である日本会議の中でも特に危ないデムパを飛ばすのが高橋史朗氏だろう…。戦争は平和であり、高橋は土橋である。生長の家学生会全国総連合の委員長は土橋史朗氏であるが、「土橋は高橋史朗の旧姓」(同上 p.17)なのだ。結婚して「改姓して高橋史朗となった」(同上 p.18)のである(3回プロポーズして3回断られたらしいが…)。そして、俵氏は「安倍にサッチャーの教育改革を『教授』したのは日本会議であり、それをやったのは事務総長の椛島有三」、「安倍の一番のブレーンは椛島」(同上 p.58)だと推測。椛島有三氏は「子育て命令」法なるものを評価しちゃってる。俵氏は「『子育て命令』法は不登校にも適用される」「不登校になる子どもの抱えている問題は様々で、それを国家の命令によって、親は無理やり子どもを学校に行かせることが強制されるという事態は、けっして容認できない。それをすばらしいと評価する椛島らに教育を語る資格があるといえるだろうか」(同上 pp.62-63)と批判。へんな教育論を語ってしまう大学中退・職歴なしの椛島有三氏の憂鬱は続く…。また、日本会議は(表向きは)在特会とは一線を画している…ってことになっているけど「日本会議の『外国人地方参政権地方自治体が在日外国人に乗っ取られる、日本を滅ぼす』などの排外主義的な主張が『在特会』の卑劣な活動の思想的・理論的背景になっている」(同上 p.91)と考えられる(これを指摘されると、日本会議の広報の人が怒る)。

 

引用文献
俵義文(2016)『日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態』花伝社