【トンデモ】洗脳

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 江藤淳氏は「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」は「日本人に戦争は罪であったと思い込ませようとした執拗きわまる情報宣伝活動」(江藤 p.77)だとしていた。言語空間がどうたらとか文学的表現で誤魔化しているけど、これが本格的にデムパになって撒き散らされていくのは、自由主義史観研究会(トンデモ史観研究会)が湧いた頃からである。トンデモ史観研究会の黒歴史書『教科書が教えない歴史2』では高橋史朗氏が「占領軍は『ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム』(日本人の心に戦争に対する罪悪感を植え付ける情報宣伝計画)を実施」(高橋 1996 p.65)とか言い出す。「植え付け」っていう表現は小田村四郎氏も使用し「『罪』の意識を日本国民に植ゑ付けた(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)」(『祖国と青年』1987年8月号)と述べていた。しかしながら当時はまだ高橋史朗氏は「洗脳計画」ではなく「宣伝計画」と言っており、ある程度はデムパを抑えていた。デムパがきついのは稲田朋美氏であり「オウム真理教の信者のマインドコントロールはよく知られていますが」「占領期間中の日本人に対するマインドコントロールについてはあまり知られていません」「占領軍は日本人に戦争についての罪悪感を植え付けるための宣伝計画(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)を実施」(稲田 p.73)、「いまだに日本人が占領下の厳しい検閲によるマインドコントロールから抜け切れない」(同上 p.75)とか言っちゃってた(伊藤哲夫氏が『明日への選択』1994年10月号でWGIPは「『マインド・コントロール』の施策」と述べちゃってたので、このデムパを参考にしたのかも)。その後、高橋史朗氏も月刊『ムー』…いや、えっと、『SAPIO』1997年1月15日号で「日本人洗脳計画」(高橋 1997 p.98)とか言い始め、キバヤシよしのり氏も厨二病漫画『戦争論』(1998年)で「GHQは『ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム』という日本人に戦争の罪悪感を植えつける洗脳計画を実行した」(小林 p.49)とか書いてしまう。キバヤシよしのり氏は『新戦争論1』(2015)でもWGIPしぐさをしており、読者(厨二病)が「私はWGIPという言葉そのものをはじめて聞いたので、そんな洗脳が一般的に行われていたのかと驚いてしまいました。そして、その結果が、いまでもマスコミを通して根深く残っていることにムカついて仕方ありません」などと言い出し、MMRが緊急出動するレベル。これに対しキバヤシよしのり氏は「保守派の間では当たり前になってる言葉だが、一般人にとってみたら、そして若い読者にとってみたら、馴染みのない言葉ですね」などと答え、本日をもってMMRの活動が停止するレベル。なお、在特会も「GHQによるWGIP(日本国民への戦争認罪意識洗脳プログラム)から始まった反日極左思想」(在特会HP)などと述べている。
 ちなみに愛国アイドルももちタソはトンデモ史観研究会でも「諸外国では、憲法の中に緊急時に備えるための規定を置いています。いざという時のための規定が一つもない日本国憲法こそ異例」(百地 p.98)と言っていた。

 

引用文献
江藤淳(1986)『日米戦争は終わっていない 宿命の対決 その現在、過去、未来』ネスコ
高橋史朗(1996)「抹殺された日本人の歴史観藤岡信勝自由主義史観研究会『教科書が教えない歴史2』産経新聞ニュースサービス
稲田朋美(1996)「裁判批判を封じ込めた検閲」藤岡信勝自由主義史観研究会『教科書が教えない歴史2』産経新聞ニュースサービス
高橋史朗(1997)「『慰安婦報道』『自虐展示』の原点はGHQ『日本人洗脳計画』にあり」『SAPIO』1997年1月15日号 小学館
小林よしのり(1998)『 新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』幻冬舎
百地章(1997)「政治的責任負わないための『天皇は神聖不可侵』」藤岡信勝自由主義史観研究会『教科書が教えない歴史3』産経新聞ニュースサービス

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