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【トンデモ】戸塚宏「子供には体罰を受ける権利がある」(ついでに田母神俊雄)

 体罰マニアの戸塚宏氏によれば「体罰とは『進歩を目的とした有形力の行使』で」「子供を進歩させようとしてやるもの」(戸塚 p.210)なのだという.しかしながら「ここ半世紀,権利思想を持ち出して,『子供の権利の侵害になるから体罰をしてはいけない』という声が大きくなった」ため,今は「子供が進歩する権利を奪っている」(同上 p.211)状況にあるらしい.そして戸塚氏は「子供には体罰を受ける権利がある」(同上)と主張し,「体罰の定義もできず,善悪の判断も出来ない連中が,体罰を悪だと決めつけているのがわが国の現状」(同上)だと述べている.戸塚氏がいうには,小学校低学年までの教育によって本能を強くすると善悪の判断が出来るようになる…らしい.だが,「学校で本能を鍛えることをいっさいせず,権利ばかり教えてしまった結果,子供たちの生きる能力が低下し」「簡単に自殺する」(同上 p.213)ようになった…らしい.そして,小学校までの時期に「本能を司る脳幹を太く強くしておかないと,生きる能力が弱くなってしま」(同上)うため,質の高い不快感を与え,脳幹を鍛え,本能を強くする必要があるという.「最も質の高い不快感は死の恐怖」(同上)であるが,「小学校で死の恐怖を与えるわけにはいきません.そこで必要なのが,肉体的な痛みと恥ずかしさを子供に与える不快感,すなわち体罰なんです」(同上)と述べている.なお,体罰と暴力の違いについては「体罰というのは,相手を進歩させるため.つまり,相手の利益のためにやるんですよ.暴力というのは,自分の利益のため」(同上 p.215)とのことである.…なんだそれ.ヨットスクールに来る子どもは「脳幹をCTスキャンで調べてみると,だれもが細く未発達」(同上 p.216)だというが,この脳幹論は根拠のない疑似科学である.
 結局,戸塚氏は,疑似科学を持ち出して体罰(暴力)を正当化しているにすぎないのであり,子どもに対して「俺は嫌な思いしてないから.それにお前らが嫌な思いをしようが俺の知った事ではないわ…」としか思ってない.また,戸塚氏は「いまの教育は女に乗っ取られている」「事業仕分けのときに明らかになったじゃないですか.蓮舫が『コンピューター予算を削れ』と言い出した.あれが女の考えなんですよ」「戦略的にものを考えることができないのが女なんですよ」(同上 p.217)などと女性差別的な主張をしている.だとすると牟田口廉也は…まさか…女…….
 牟田口…ではなく田母神俊雄氏との対談本では,戸塚氏は「田母神さんも私も自分の信念・信条に沿って,『日本の将来のために』と行動したら」「一部の左翼勢力,そしてその一部の左翼勢力にウカウカと乗せられた,軽薄な政治家や官僚,評論家あるいはマスコミから」「攻撃された」(戸塚・田母神 p.13)と述べている.もちろん彼らのいう「日本の将来のため」の行動は,実際には日本のためにならない.…そう,彼らは「反日」である.そして田母神氏は「『教育勅語』をつらぬく『徳』の精神」を「軽視するようになった結果,社会のギクシャクぶりはどんどん進行し」「非常識な人が増えている」(同上 p.44)という…が,それをいう本人たちが非常識であった.田母神氏は「愛国心こそ人間が持つべきもっとも基本的な信条」(同上 p.54)であるというが,彼のいう愛国心など自己愛と同じだろう.
 ついでに2008年の田母神論文事件(コミンテルン陰謀論)については,彼は「インターネット上の論調は,『田母神のいってることは正しい』というものが大半を占め」「私の支持者が増えていきました」(同上 p.119)と述べている.ここは酷いインターネッツですね

おまけ:教育勅語について,例えばKAZUYA氏は「教育再生が叫ばれていますが,今こそ教育勅語の理念を思い出すべきではないでしょうか」(KAZUYA p.189)とし,竹田恒泰氏も「現代日本人が『教育勅語』を取り戻して,国民こぞってこれを実行したら,日本は素晴らしい国になるであろう.たとえこのまま復活できなくとも,小中学校の道徳の授業で,『教育勅語』の精神を余すところなく教えることができたら,と思う」(竹田 p.63)としている….えっ,教育勅語って効果なさそう.保守派って不道徳な人が多いし….

 

引用文献
戸塚宏(2013)「子供には体罰を受ける権利がある」『正論』 2013年4月号 産経新聞
戸塚宏田母神俊雄(2010)『それでも,体罰は必要だ!』ワック
KAZUYA(2013)『日本一わかりやすい保守の本』青林堂
竹田恒泰(2014)「君は日本を誇れるか 第3回 『教育勅語』の復活が日本を救う」『正論』2014年7月号 産経新聞